止まらないことがメリットのETCなのにスマートICはなぜ一時停止が必要?

通信システムが通常のETCとは異なる

 ETCを搭載した車両に限定したインターチェンジとして、全国に98か所設置されているスマートIC。ETCといえば、ノンストップで料金所を通過できるのがメリットだが、スマートICではETCシステム専用にもかかわらず、開閉バーの手前で一旦停止することが義務付けられている。一体どうしてなのだろうか。

 NEXCOのHPのQ&Aを見てみると、

 Q. ETC専用ICなのに、なぜノンストップで通行できないの?

A. スマートICでは、開閉バーの手前で一旦停止した後、通信のやり取りが行われ、開閉バーが開くシステムとなっております。よって、ノンストップでの通行はできません」

 と書かれている。つまり、一般のETCレーンとは、通信システムの性能が違うということ。スマートICは、簡易な設備で、低コストで設置、運営できるというのが大きな特徴。基本的に無人で、データ送受信用機器もコスト優先。ノンストップ(徐行通過)に対応できる機器のようにコストをかけていないので、一旦停止しないとデータの通信ができない仕組みになっているだけ。

 なんだかな~、という気がしないでもないが、実際に使ってみると、スマートICは交通量も多くはないので、一旦停止することへの不満や抵抗はそれほどないはず。そもそも、ETCは、 Electronic Toll Collection System (エレクトロニック・トール・コレクション・システム)の略、つまり「電子料金収受システム」のことなので、ノンストップや徐行通過という意味はなく、スマートICで一時停止が必須でも、問題ないといえば問題ない……。

 なお、通信エラー、ETCカード未挿入などにより通信できず開閉バーが開かなかった場合は、バーの手前に設置されている「通信開始ボタン」を押せば、再通信が可能。それでも開かない場合は、インターフォンを使って、係員の指示にしたがうことになる。

 また、謝って進入してしまった場合は、Uターンスペースを利用すればOK。その他、通行可能な車種や時間が限定されているスマートICもあるので、事前のチェックも忘れずに。スマートICに関しては、まだ実験的な面もあるので、多少の不便はあるかもしれないが、簡易であってもあるとなしでは大違いで、いろいろ利便性があるのは事実なので、ドライバーも細かいところには目をつぶって、ありがたく使わせていただこう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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