間違った使い方が多く不要論もあるバックフォグは日本でも必要な装備なのか

正しい使い方をすれば安全面で有効な装備

 欧州車には標準装備されていることが多い「バックフォグランプ」。最近では日本車にも採用例が増えてきている。テールレンズに内蔵されていたり、リアバンパー下部に置かれていたりする赤いランプで、その役割は濃霧など視界が悪いコンディションにおいて、自車の存在を後続車に知らせることにある。それにより追突などの事故を防ぐのが目的だ。バックフォグ

 もちろん、それはヘッドライトを点灯(つまりテールランプも点いている)している前提だが、テールランプの光量では足りないほど視界が悪い状態を考えたランプだ。そのため晴天時などに点けると、後続車のドライバーを眩惑してしまうほど明るく、目に刺さる強い光を発する。バックフォグランプは、まさにフォグ(Fog 濃霧)においてのみ使われるべき機能なのである。

 そうした問題もあって、かつての日本では「バックフォグ不要論」もあったが、正しく使用すれば効果的なのは間違いない装備であり、その採用は徐々に増えている。なかなか使う機会がない機能であり「せっかく付いている装備なのだから日常的に活用したい」と考える人もいるかもしれないが、使うべきシチュエーションを判断する必要がある装備だ。

 フロントのフォグランプも同様だが、「フォグ」と名前がついているランプはドライバーが前方視界に不安になるような濃霧などで使うもので、視界の確保できるシチュエーションで使うのはNGという認識が広まってほしいと思う。同時に、メーカーにも不適切な使用を防ぐようなUIなりセンシングなりの技術開発も期待したいところだ。理想をいえば、オートライトのように、周囲の状況に合わせて自動的に点灯するようになれば、いわゆる「バックフォグによるビーム問題」も解決するだろう。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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