軽からSUVまでさまざま! クロスビー以外にも存在するスズキのクロスオーバーSUVを振り返る (2/4ページ)

初代エスクードが創出したライトSUVの新ジャンル

 SUVとはスポーツ・ユーティリティ・ビークルの略で、1980年代、アメリカで広まった。スポーツはアウトドアレジャーなどを指す。アメリカではもともとピックアップトラックの人気が高い。荷物が濡れるのを防ぐために荷台部分にFRP製の屋根(シェル)を装着してみたところ、これが意外にもヒットする。では最初から屋根付きのトラックにしては……という理由でSUVは誕生した。トラックベースだったゆえ、大きくて重いクルマが多かった。

 だがスズキには適当な大きさのピックアップトラックがない。スズキはスズキのやり方でSUVにアプローチするしかなかった。そうして生まれたのが初代エスクードだった。当時ほとんどのSUVは3Lクラスなのに対し、わずか1.6L。サイズも一般的なSUVよりはるかに小さい。だが少し背の高いハッチバックのようなスタイリッシュボディが新鮮だった。中身はラダーフレーム構造を持ち、ヘビーな使い方にも耐える。当時のSUVのなかにあっては、飛び切りの異彩を放っていた。そんな初代エスクードは国内外で大ヒット。現在数多く存在するコンパクトなライトSUVの嚆矢となり、世界中に影響を及ぼした。

1988年 初代エスクード

 1980年代にアメリカで人気に火が付いたSUVは、トラックベースゆえ大きく重いものが主流だった。そんなSUVとは違う小さくてカジュアルなクルマが初代エスクード。スタイリッシュなボディに、ラダーフレーム構造を採用する堅牢なボディと本格派の4WDを搭載。1.6Lエンジンを積み、ハードトップのほかコンバーチブルも設定。国内外で大ヒットし、ライトSUVというジャンルができるきっかけになった。

1997年 2代目エスクード

 外観は大きく印象が異なるものの、3ドアと5ドア(ノマドのサブネームは消滅)を用意するなど、基本的にはキープコンセプトの2代目エスクード。初代と同様、頑丈なラダーフレーム構造を採用し、高いクロスカントリー性能を誇った。直4の1.6&2Lガソリンに加え、2.5L V6やディーゼルターボも搭載した。

1998年 3代目ジムニー

 1998年、衝突安全性確保のために、軽自動車は一斉に大型化。いわゆる新規格化が行われた。ジムニーもフレーム構造など伝統のヘビーさは踏襲するがサイズが拡大され、幌モデルがなくなり4人乗りワゴンモデルに一本化された。搭載エンジンは660ccターボのみ。改良を繰り返しながら現在も生産される息の長いモデルだ。

1995年 X-90

 大ヒットした初代エスクードをベースに登場したユニーク極まりないクルマ。下半分はSUV、上半分はオープン2シーターといういろんな要素をクロスオーバー。時代を先取りしすぎてしまい、人気薄で短命に終わった。


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