いまどきの賢いオートエアコンでも万能じゃない? オートじゃないほうがいいケースとは

梅雨時などはマニュアル操作が有効なこともある!

 いまどき新車で販売されているクルマはオートエアコンが標準装備されているケースが増えている。オートというだけに、ターゲットになる温度を設定しておけば、自動的に快適な室温にしてくれるという機能を期待するだろうし、多くのユーザーは普段は設定をいじることなくオン/オフだけをコントロールしているのではないだろうか。もしかすると、オンに入れっぱなしで快適性はクルマにお任せしているというユーザーもいることだろう。オートエアコン

 国産車のオートエアコンでは、18~30℃の範囲で温度設定できることが多いと思いが、基準となるのは25℃(輸入車では22℃のケースもある)。つまり、25℃に設定してオート状態にしておけば、平均的にいえば快適な室内空間を維持できるわけだ。

 また、省燃費性についてもオートエアコンにお任せしておくことは効果的だ。設定温度に近づくと自動的に風量を弱めたりするといった制御も可能で、電力消費を抑えることができるからだ。オートを嫌ってマニュアル操作でエアコンを使うユーザーもいるだろうが、よほどこまめに調整しない限り、省燃費性という点ではいまどきのオート制御には敵わない。

 たとえばホンダのクルマについている「ECON」ボタンをオンにすると、パワートレインだけでなくエアコンも省燃費指向となるほどで、マニュアル操作では不可能な制御をしているのだ。 

 運転中、こまめにエアコンを操作するというのは安全運転の見地からおすすめできない。もっとも、不要な季節はエアコンをオフしておくという具合にマニュアル操作をするのであれば燃費にも有利なことは間違いないが。

 というわけで、いまどきのオートエアコン搭載車であれば、個人の趣味趣向を置いておくと、オートにお任せしておくのは合理的な判断といえる。

 しかし、オートエアコンといえども完璧ではない。とくに寒暖の差が激しい季節の変わり目にはオートでは対処できないケースも出てくる。

実際、それほど気温が上がっていないが、湿気があるのでさっぱりとした室内にしたくてエアコンをオンにしたのに、除湿も兼ねる冷房モードではなく暖房モードになってしまったという経験をしたことはないだろうか。梅雨の時期には、そうした気候になることが多いが、湿気があるのに暖房が入るとウインドウが曇りやすくなってしまうことになる。普段はオート任せにしているユーザーも、この時期にはエアコンの作動モードを確認して、必要に応じてマニュアル操作する意識を持っておくといいだろう。 

 なお、オートエアコンであってもフロントウインドウの曇りをとるデフロスターは必要に応じてマニュアル操作でオン/オフする必要があるが、適切にオートで作動している限りは、わざわざデフロスターを機能させずともフロントウインドウが曇ることは少ない。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

新着情報