メルセデス・ベンツやレクサスなどの高級ブランドがパトカーに採用されない理由とは

警察車両には存在するがブランド力はパトカーには不必要

 先日も栃木県警に、日産GT-Rが市民の寄付をうけて導入され話題を集めたばかりだが、過去にもNSXやスカイラインGT-R、RX-7にインプレッサSTIなど、高額かつハイパフォーマンスなパトカーが導入されたことがあるのは多くの人が知るところだろう。

 このようなハイパフォーマンスなスポーツモデルは存在することがすでに抑止力になるだけでなく、違反車両を発見したときはその高い動力性能で速やかに追尾体制に入れることも紛れもないメリットと言える。

 その一方で、セダンモデルと言えば前述のインプレッサSTIやマークXスーパーチャージャーのようなスポーツセダンを除けば、クラウンが最上級といったところ。なぜレクサスやメルセデス・ベンツといった高級車がパトカーにならないのかと思った人もいるかもしれない(過去にメルセデスベンツの覆面はいたようだが)。

 これはパトカー本来の目的を考えれば合点がいく。パトカーの役割は犯罪の予防・検挙や、交通の指導・取り締まりのための移動手段であり、警察官や検挙した相手を快適に目的地まで運ぶことではないためだ。

 クラウンのパトカー専用グレードも、3.5リッターエンジンを搭載しながらも快適装備をある程度省略して車両価格を抑えているわけで、快適さがウリかつ高額となるレクサスやメルセデスベンツを導入する必要がないということになるのである。

 では警察車両にはレクサスやメルセデス・ベンツがないか、というとそういうわけでもなく、たとえば首相や各国の要人が移動する際に周囲を固める警護車両にはレクサスLSやメルセデス・ベンツSクラスが採用されているほか、幹部を送迎する車両としても同様の車両の採用例があるようである。

 このように、警察車両においても適材適所で車両の配置がきめられているということがおわかりいただけただろうか。警察車両に高額車両が採用されることに思うところがある人もいるだろうが、それなりに理由があってのことなのである。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
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