20周年限定車は日本が影響を与えた! ルノー カングーが20年間も世界で愛され続けるワケ (2/3ページ)

2008年から開催しているカングーのイベントは遠方からも訪れる!

 それをハッキリと証明してるのは、“カングー ジャンボリー”だろう。ルノー・ジャポンの主催で毎年開催されているこのイベントには、全国各地からカングーに惚れ込んだオーナー達が驚くほどたくさん集結する。第10回を迎えた今年のイベントでは、カングーだけで1373台。

ルノー カングー

 それも思い思いにドレスアップが施されたりユニークなアイディアが盛り込まれたりしている“マイ・カングー”がかなり多く、まったく同じカングーなんてここにはいないんじゃないか? と感じられるほどだ。そんなところからもカングーの愛されっぷりが理解できたりもする。ルノー カングー

 今回のイベントのゲストとして来日していたルノーの小型商用車担当プログラム・ダイレクターである、フィリップ・カイエットさんも、「皆さんのカングーに対する情熱は、ものすごいですね。フランスではA地点からB地点まで家族や荷物を乗せて走る道具として実用的に使われる傾向が強いクルマですが、日本ではライフスタイルの中に溶け込んで、趣味のクルマとして愛されてるのですね」と驚いていたほどだ。ルノー カングー

 カングーがパリの街中やフランスの気持ちいい田舎道を走りはじめたのは1998年。日本に最初に上陸したのはデビュー4年後の2002年。最初は右側通行の国のコマーシャルヴィークルらしくスライドドアが右側のみで、日本の道路事情には合ってなかったため導入が見送られていたが、郵便需要などで左ハンドルであっても左側スライドドアが欲しいという声が高まり、両側にスライドドアが設けられた。

 それをキッカケに、ルノー・ジャポンは1.4のハッチバックから日本へ導入。翌2003年には1.6となり、リヤはダブルバックドアに。さらに翌2004年にはフェイスリフトなどが施されたフェイズ2へと進化。初年度は773台だった販売台数が、この年には倍近い1459台という数字をマークするほど伸びている。ルノー カングー

 2009年にはフルモデルチェンジ。車体が少し拡大されて室内のスペースもさらに大きくなった、いわゆる“カングー2”、マニアの間では愛を込めて“デカングー”と呼ばれている新型へと切り替わる。その翌年にはその後8回にわたって展開され、全部で18色の彩りを日本にもたらしたスペシャルカラーをまとう“カングー・クルール”という限定車のシリーズがスタートし、毎回即完売という驚きの好評ぶり。ルノー カングー

 そして2013年にはルノーのコーポレートデザイン担当副社長のローレンス・ヴァン・デン・アッカーが唱えた“サイクル・オブ・ライフ”デザインにならった顔つきを持つフェイズ2となり、2016年には1.2ターボ+EDC(=デュアルクラッチ式トランスミッション)も導入されるなど、進化を繰り返している。そしてその年には2068台、2017年には2028台と、2000台を立て続けに超える販売記録をマークする人気インポートカーへと成長した。ルノー カングー


嶋田智之 SHIMADA TOMOYUKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
2001年式アルファロメオ166/1970年式フィアット500L
趣味
クルマで走ること、本を読むこと
好きな有名人
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