20周年限定車は日本が影響を与えた! ルノー カングーが20年間も世界で愛され続けるワケ (3/3ページ)

日本のファンから影響を受けた20周年限定車が誕生

 カングーは今年で20年。それを記念した限定車がフランス本国のルノーで企画された。欧州では期間限定で販売され、日本では200台のみが限定で販売される。その名は“カングー・ヴァンタン”。ヴァンタンは“20ans”。フランス語で“20周年”を意味する言葉だ。

ルノー カングー

 じつはこのリミテッドエディションの誕生には、日本のカングー・ユーザー達、それもカングー・ジャンボリーに集うオーナー達の存在が大きな影響を与えているのだという。カングー・ジャンボリーの存在そのものは本国のルノーの中でも認知されていたが、それは“1000台以上が集まるらしいよ”ぐらいなもので、詳細についてはあまり知られていなかったらしい。ルノー カングー

 ところがカングーのマーケティング担当にひとりの日本人女性がいて、その方がイベントのことを事細かにスタッフ達に紹介したのだそうだ。どんな人達がどれくらい集まってるのか、ユーザー達がどんなふうにカングーを愛してるのか、カングーのキャラクターを活かしてどんなふうに楽しんでいるのか……。それに触発されて“愛されキャラをテーマにした20周年記念モデルをつくろう”ということになったのだとか。日本のカングー・オーナー達は誇っていいと思う。ルノー カングー

 そういういきさつから生まれたヴァンタンだからか、通常のカングーよりもさらに乗用車テイストの色濃いモデルとなっている。本国をはじめとする欧州では70%が商用車仕様だが、日本では100%乗用車仕様なのだから。ルノー カングー

 ベースとなったのは、1.2ターボ+EDCの“ゼン”。このモデル専用のルージュ・パボ・メタリックというフランスらしい絶妙な色味を見せるボディカラーを身にまとい、ドアミラーとサイドプロテクションモールを同色に。フォグランプにはシルバーのトリムがあしらわれたり専用のホイールカバーやデカールが採用されることで表情が豊かになり、カングー・ジャンボリーのようなイベントや週末の遊びに有効なマルチルーフレールを標準で備えている。ルノー カングー

 またインテリアもこのクルマ専用の仕立てで、フロントのドアにあしらわれたトリム、ルージュのアクセントが目立つシート、さりげなく赤いステッチの入れられたアームレストなど、ボディカラーとのコーディネイトの仕方がフランスらしい味わい。またメータークラスターが専用のブリリアントブラックのものとなり、コンソールボックスのリッドがレザー調になるなど、高級感も増している。ちなみにバックソナーも標準装備となる。ルノー カングー

 価格は265万9000円。ルノーの限定車、それもとりわけカングーの限定車は完売するのが早いが、これはアニバーサリーモデルだけに、競争はさらに激しそう。ルノー・ジャポンはそこをちゃんと理解していて、購入希望者が予定販売台数を上まわった場合には抽選、という販売方法を採るようだ。申し込み受付はこの5日からスタートしていて、締切は16日。希望される方は急いでディーラーを訪ねることをオススメしておこう。


嶋田智之 SHIMADA TOMOYUKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
2001年式アルファロメオ166/1970年式フィアット500L
趣味
クルマで走ること、本を読むこと
好きな有名人
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