開発のキーマンが日本人を長年魅了するカローラの最新モデルに込めた思いとは (1/3ページ)

伝統を守りながら、新たなる領域への挑戦

 時代ごとに求められる新たな価値を創出し、変化することで歴史を築いてきたカローラ。カローラのDNAとも言えるその精神性は、12代目となる新型でも健在だ。目指したのは、カローラならではの伝統と、カローラだからこその先進性。開発チームのみなさんに、新型カローラの開発に込めた想いを聞いてみた。

 初代誕生から52年という長い歴史を誇るトヨタ・カローラ。その名前に特別な響きを感じるクルマ好きは少なくないはずだ。12代目となる新型の開発責任者を務めた小西良樹さんも、そんなひとりだ。

「カローラはある意味、時代を映す鏡とも言えるクルマです。大衆車によって日本の本格的なモータリゼーションの幕開けをもたらそうという意気込みで開発された初代。時代が求めるユーティリティにいち早く応えようとFRからFFへと変わった5代目。ほかにもグローバルに広がっていった9代目や10代目など、その時代ごとの世の中のニーズに新しい技術で素早く応えてきたクルマがカローラなんです。見た目の意匠性ではなく、社会が求めるものをいち早くキャッチして変わり続けるという精神性、それがカローラのDNAだと思っています。今回の開発で最初に取り組んだことも、『壊れない』『安心して使える』『高い実用性』といった基盤を守りながら、そこにどんな価値をアドオンしていくかを考えることでした」

 その目玉のひとつが「コネクティッド(繋がり)」というクルマにとっての新しい価値の提供。車載通信機DCMを全車に搭載し、遠隔で走行アドバイスや車両診断を受けられるほか、「eケアサービス」や「LINEマイカーアカウント」など、多彩なコネクティッド機能を新搭載している。

「人とクルマ、クルマとクルマ、そしてクルマと社会が繋がることで、『安全・安心』や『便利・快適』がさらに強化されます。この機能によって、クルマが単なる移動手段ではなく、クルマと人のまったく新しい関係が生まれます。こうした先進的なメッセージを大衆車に込めるというのも、カローラらしさのひとつの象徴だと思います」


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