画期的? イロモノ!? かつてクルマに採用された「斬新」装備6選

その後に繋がった装備もある

 むかしのクルマは、「オート○○」とオートという名称が付くのが豪華装備の象徴だった時代がある。その極めつけが、平成元年登場の三菱エクリプスの自動シートベルト! ドアを閉め、キーを回すと、肩ベルトが窓枠沿いに電動で動き締めるシステム(腰ベルトは手動……)。エクリプスだけで消えてしまった空前絶後の一代限りの装備だった。今回はそんな画期的なアイテムを6つ紹介したい。クルマの斬新装備

1)NAVI5

 1984年、いすゞの初代アスカに採用された世界初の乾式クラッチ式電子制御オートマチックトランスミッション。今を時めくDCTやDSG、PDKなどの2ペダルMTの元祖ともいえる画期的なシステム。

 トルクコンバーターを介さない電子制御の2ペダルMTとしてのコンセプトは、最先端で、そのまま今日に通じるものがあるが、当時はコンピュータによる細かい制御が追い付かず、評判はもうひとつだったのが残念。その後、いすゞは乗用車の生産からを引くが、NAVI5の技術は、商用車に継承された。

2)アンブレラポケット

 日産のN13パルサーに採用された、傘入れスペース=アンブレラポケット。3ドアモデルのBピラーのドアアンカーのあたりに穴があり、そこに専用の傘を収納するというもの。濡れた傘を車内に持ち込まないで済むという意味で画期的だったが……。 

3)加湿器

 初代日産シーマのオプションだった、クルマの車内用の加湿器! 除湿(エアコン)ならわかるが、加湿の需要があったのか? 「モイスチャーコントロール」という名称だったが、喉の弱い人か乾燥肌の人は冬場に重宝したかもしれない……。

4)モトコンポ

 ホンダの初代シティと一緒に登場した、折り畳み式(?)のバイク。タイトなシティのラゲッジスペースに横倒しにして搭載できるのが大きな特徴。50㏄のエンジンから発生する最高出力は2.5馬力で、新車価格は8万円だった。生産中止後に人気が高まり、プレミアム価格が付いたほど。

5)6連メーター

 むかしのクルマはメーターがたくさんある方が偉かった!? 松本零士のSF作品、宇宙戦艦大和や銀河鉄道999に、いわゆる「レイジメーター」と呼ばれる多連メーターが描かれていた影響もあるのか、メーターが多いのはメカニカルで、未来的だった。機能的には、マルチファンクションの集中ディスプレイのほうが優れているが、多連メーターには、アナログならではのロマンがある。

6)ワイパー3種

 未来は雨とともにやってくる、と思ったのかどうかは知らないが、一時期、豪華装備としてやたらとワイパーを追加する風潮があった。ひと昔前のベンツやボルボ、サーブなどに、ヘッドライトワイパーをつけていた車種が多かったので、ヘッドライトワイパーは案外に身近だったかもしれないが、インパクトがあったのは、日産のS12シルビアのリトラクタブルライト+ヘッドライトワイパーという組み合わせ(世界初)!
日産には、初代レパードのフェンダーミラーワイパーという珍品も。

 トヨタでは、X80系マークⅡのオプションで、ドアミラー用のワイパーやサイドウインドウワイパーがあった(ミラーではなく、ミラー手前のサイドウインドの水滴をとる)。その進化系が、超音波雨滴除去機能付ミラーだったりするわけだが、撥水スプレーや親水コートなどのケミカル剤を使えばOKな気が……。(それ以前に、これらが重宝するほど、こまめにミラーで後方確認をしてほしい)

番外編)フラワーベース

 番外編として、VWビートルのフラワーベース。カブトムシで有名な初代ビートルには、生花を活けるためのフラワーベース(一輪挿し)がオプションにあった。ニュービートルでも復活したが、ドイツのクルマ好きは花が好きな人が多いのだろうか? 国産車でも、華道の家元とコラボして、素敵なフラワーベースを開発してみてはどうだろうか?


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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