最悪エンジンの載せ換えも! 今どきのクルマでも起こるメンテナンス不良車の末路

廃車もしくは中古エンジン積み替え

 最近はメンテナンスフリー化が進み、以前程は手間がかからなくなってきているのは確か。さらにATが主流になり、”機械感”が薄くなったことで、このまま乗り続けられるのではという思い込みも強くなっている。もちろん、そんなことはなし。機械である以上、メンテナンスが必要だし、少なくなったというだけでメンテナンスポイントはいくつかある。それらに対して、なにもしなかったら、どうなるのだろうか? 危険なノーメンテについて見てみよう。

 足まわりだと、ショックアプソーバーが抜けたり、ブッシュが劣化するなどは、よほどでない限り「乗り心地が悪くなる」といったもので危険に直結することはない。しかしブレーキはバッドがなくなれば止まることができなくなり、危険。またブレーキフルードが劣化しすぎると、効きが甘くなり、止まれなくなることもある。

 そしてエンジンは重要なメンテナンス部分がまだ残されている場所だ。まずそのなかでもエンジンオイルは最重要で、実際に修理工場に聞くと悲惨な例がいっぱいある。

 エンジンオイルを変えないとどうなるか? もちろん潤滑不良になって摩耗が進む。これだけだとエンジン内部にキズができるにしても、きれいなままという感じだが、実際はオイルが炭化してエンジン内部に堆積。さらにそれがガッチリと固まって、さながら荒野の岩山みたいな感じに。金属表面がまったく見えないことも珍しくはない。そうなるとフラッシングで落とすことは無理で、オーバーホールするしかないが、費用がかかるので実際は廃車もしくは中古エンジン積み替えしかないだろう。

 変えない人にどうしてかを聞いたことがあるが、「エンジンが動いていたから問題ないだろう」とか、「継ぎ足せばいい」と言われてビックリしたが、クルマに興味がない人の意識はその程度ということもあり得るということだ。

 車検などで変えないのかとも思うが、変えない人はだいたい「問題ないので断った」ということが多い。プロも無理強いできないし、どこかで変えるのだろうと思っているのかもしれない。

 そもそも油量警告や劣化モニターというのは基本的には付いていないので、危機を知らせることができないというのも問題だろう。

 ちなみに知り合いの修理工場に遊びに行ったところ、某メーカーからの通達が貼ってあって、「オイル交換しないクルマが増えているから、自社はもちろん他社でもいいので、怪しい場合は強制的にでもオイル交換をしてくれ」という内容でビックリした覚えがある。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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