模様には意味があった! 開発車両が纏うカモフラージュ柄に隠された秘密とは

ボディラインを隠したりあえて目立つようにすることも

 新車の速報記事で「次期〇〇を発見!」といった見出しと共に掲載される写真を見たことがある人も多いだろう。しかし、そういった写真に写った「次期〇〇」と言われる車両のほとんどはボディパネル全体に渦巻きのような謎の模様が描かれているものが多い。

 じつはこの模様、デジタルカモフラージュ柄などと呼ばれ、その車両本来のボディラインなどを判別しにくくするためのものなのだ。このカモフラージュ柄が使用されるのは、ボディのデザインなどがほぼ固まった市販間近の車両が多いが、それはライバルメーカーなどに自社のデザインのトレンドや傾向を悟られないようにするという意味合いが強い。なかにはわざと窓の形からずらしてカモフラージュ柄を貼り、ウインドウの形状を誤魔化す手法も使われることがある。

 逆に発売が目前に迫った車両に関しては、わざと派手めなカモフラージュ柄を纏い、ティザーキャンペーンの如く路上を走り回ることもある。最近だと次期スープラが該当するだろう。

 それよりももっと秘匿性が高いカモフラージュが、本来のボディパネルの上に仮のボディパネルを重ね貼りしてしまうものだ。本来のボディとは大きく形を変えることができる一方で、空力特性などが変わってしまうほか、コストが大きくアップしてしまうというデメリットが存在する。

 その前段階のプロトタイプ車両などでは、旧型車の外板パネルなどを流用し、一目見ただけでは従来型の車両に見えるようにすることがある。しかし、よく見てみるとホイールベースが異なっていたり、トレッドが大きく拡大されていたりとディメンションが変わっていることが多く、逆に違和感を覚えてしまうこともある。

 どちらにしても新型車のアピールはしたいけれど、他メーカーに発売前に詳しく知られたくないというメーカーの葛藤も垣間見えるカモフラージュ柄。一口にカモフラージュ柄といってもさまざまなパターンが存在するので、どんなカモフラージュ柄を纏っているのかに注目してみるのも面白いかもしれない。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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愛車
日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
趣味
長距離ドライブ
好きな有名人
ザ・リーサルウェポンズ

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