ドイツの名門ポルシェがディーゼルからの撤退を表明したワケ (2/2ページ)

富裕層向けの車種が電動化することでインフラの整備も充実する

 一方で、電動化に対しても、EVのみならずプラグインハイブリッド車(PHEV)を含めた充電設備の充実という点で、課題はまだ残されている。急速充電のみならず、普通充電についても日本では集合住宅(マンションなど)への設置が進まないのが現状だ。だが、米国のテスラをはじめ、英国ジャガーのSUVであるI-PASE、そしてポルシェのタイカンといった高価な高性能車が次々にEV化されていくことにより、裕福な人たちの視線はおのずとEVへ向かっていくはずだ。

 ディーゼルターボエンジンは、低速トルクが大きく運転しやすく、なおかつターボチャージャーにより力強い加速が期待されてきたが、モーターの方がそれら性能はもっと強烈だ。高性能な高級車にこそEVは向いているのである。それが証拠に、英国のロールスロイスが永年エンジンで追い求めてきたのは、静かで滑らかな走行と力強い加速であった。それがEVならすべて実現できる。なおかつ、排ガスゼロで、無公害だ。

  

 CASE(コネクテッド/オートノマス/シェアード/エレクトリック)が到来する時代へ向け、世界の自動車メーカーはブランド強化を進めている。電動化とEVの導入は、その先兵といえる。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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