自動車史を大きく変える平成最大の衝撃作も! 「平成9年生まれ」の国産車7選 (2/2ページ)

自動車の流れを大きく変えたトヨタの衝撃作

4)トヨタ・プリウス(初代)

 初代プリウスは今では当たり前になったハイブリッドを量産化した世界初のモデルである。

 初代プリウスは対応が迫られていた環境問題に対する回答として「当時のカローラの2倍の燃費」を実現するため、駆動用モーターと発電用モーターを持つ2モーターハイブリッドを採用。初代プリウスの開発は未知のメカニズムを搭載するクルマとは思えないほど短期間で行われており、この点にはトヨタの底力を強く感じる。また初代プリウスは当時のトヨタ車では主力車種ではなかったこともあり、内外装のデザインが全体的にクルマの将来を示唆した未来的なものだったことも大きな特徴だった。

 初代プリウスは初期モデルにおいて、初物であるハイブリッドのトラブルはあったようだが、トラブルには特別体制で対応し、初期モデルの駆動用バッテリーは廃車まで補償するなど、プリウス、ハイブリッドを育ててくれたユーザーを大切にするトヨタらしい対応を行った。

 トヨタという会社は「約束や新しいことに対する決断は慎重であるが、やると決めたことは時間を掛けてでも必ずものにする」という社風があるが、初代プリウスから始まったハイブリッドはまさにそうで、前述のユーザー対応も含め初代プリウスはトヨタのよきDNAを象徴するモデルと言える。

5)日産ルネッサ

 ルネッサはステーションワゴンのキャビンとラゲッジスペースをさらに広くすることを目指した、のちのホンダ・アヴァンシアとも似た部分を持つ、わかりにくいコンセプトで開発されたクルマである。

 ルネッサはコンセプトのわかりにくさ以上に、電気自動車や燃料電池車も想定したフロア(床)が二重構造になったプラットホームを使ったせいで、コンセプトとは裏腹に室内高は低く乗降性も悪いという、言ってしまえば支離滅裂なクルマだった。そのため当時の低迷していた日産を悪い意味で象徴する存在として、印象に残るクルマではあった。

6)日産エルグランド(初代)

 初代エルグランドはエンジン縦置きのFR構造を持つ、高級ラージミニバンというジャンルを開拓したモデルである。

 初代エルグランドの押し出しの強いデザインやラグジュアリーでモダンなインテリアはこの種のクルマを求めるユーザーから大きな支持を集め、低迷期の日産としては価格が300万円を超える高額車だったこともあり、収益も含め大きな貢献を残した。

7)スバルフォレスター(初代)

 初代フォレスターは初代インプレッサをベースにしたSUVで、十分な最低地上高を確保しながらもSUVとしては低めの全高が特徴だった。

 とくに登場当初は2リッターターボ車しかなく(登場5か月後NA車も追加された)、のちにSTIのチューニングによるスポーツモデルも加わるなど、走れるSUVというジャンルを開拓。そのターボ車は現行フォレスターには今のところ設定されていないが、フォレスターはオールマイティなミドルSUVとして世界戦略車に成長し、今ではスバルの柱となる1台となっている。


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