自動車業界の今後はどうなる? 「令和」に起こるクルマのブームを徹底予測 (2/2ページ)

SUVブームは継続するも2極化が進む

 ひところよりは落ち着いてきたものの、SUVブームも平成から令和の時代にまたいで継続ブレークするのは必至。ただし、トヨタRAV4のようなクロカン色を強めたものと、乗用車ベース、軽自動車のSUVテイストバージョンのようなカジュアル路線の2極化が進むと思われる。だって、クロスオーバー、SUVを謳うだけでクルマが売れる時代なのだから。

 最新のデイズ、RAV4、カローラスポーツ、クラウンなどの大きな特徴と言えるのが、通信機能を備えていること(世界の大衆車のベンチマーク、VWゴルフ8でも採用される模様)。コネクトナビを付けることでオペレーターサービスが使え、ナビの目的地設定を遠隔操作してくれて、近くの好みの飲食店などを教えてくれるのだから、超便利。今でも走行中、ボイスコントロールでの目的地設定は可能だが、知らないことまで教えてくれるのがオペレーターサービスの強み。それに伴い、ヘルプネット=SOSコールも付けば、運転初心者からシニアまで、よりいっそう、安心して運転を、ドライブを楽しめるわけだ。

 Tコネクトナビのトヨタは現在、3年間無料のサービスで、4年目から有料。日産コネクトナビは10年間バケット料金無料。できれば、有料になったからやめる……とはならないよう、利用無料期間を延ばしてもらいたい(3年間無料の場合)。ちなみに、あおり運転対策にもなりうるヘルプネット=SOSコールは現在、レクサス、トヨタ、ホンダ、日産(デイズのみ)、BMWなどが採用、対応しているが、令和の時代になり、他メーカーの採用も期待される。

 最後は先進運転支援機能のアップデート。完全な自動運転はまだ先のことだけど、まずは事故を未然に防ぐ安全を目的とした制御の進化が令和、というより2020年に向けて加速することは必至。連日、悲惨な自動車事故のニュースが流れてくるが、自動運転の機能を一部利用した、運転初心者、運転機能の衰えたシニアでも安心・安全に運転できるクルマの登場が望まれる。2020年の世界的な自動ブレーキ義務化がその始まりだが、前後踏み間違いブレーキ抑制、バックモニター、ブラインドスポットモニター、前後ドライブレコーダーまでセットで加われば、さらに鬼に金棒、安全・安心だろう。つまり、家電で進んでいるような、クルマのIT化の加速、である。

 ちなみに今年、4年ぶりに買った家庭用エアコンは、クラウドにつながり、家人の生活習慣を学習し、しゃべるし、人を感知するし、スマホで遠隔操作できるし、家から離れるとGPSでエアコンの付け忘れを教えてくれるし、空気清浄&カビ防止までしてくれる進化にもうびっくりである(知らなかったのはボクだけ?)。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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