安全神話だけじゃない? 世界的に見れば小メーカーのボルボが日本で伸びる理由とは (2/2ページ)

日本市場のリクエストが反映されたモデルも

 さらに、ボルボは立て続けに新車をリリース。2018年9月には、久しぶりのボルボ・エステート、V60を登場させている。なんとこのV60、ボルボ・カー・ジャパンのリクエストによって車幅を1850mmに抑えたという日本市場を重視したモデル。全長4760mmはともかく、例えばV90の1890mm、XC90の1960のmmもの全幅からすれば、日本でも扱いやすいサイズと言えるのだ。

ボルボ

 しかもV60は車両の5年保証を実現。品質の自信を伺わせるとともに、輸入車の故障に不安があるユーザーにも大きくアピール。高い先進安全運転支援機能とともに、アウトドア派や愛犬家に絶大なる人気を誇ることになる。それに続くV60クロスカントリーはワゴンとSUVを融合させ、乗降性や荷物の積載性も容易な全高1505mmとした。多くのユーザーに理想的な1台として、ボルボ人気をXC40とともに加速させている。

ボルボ

 そう、ボルボの安全性第一……のイメージを継承しつつ、デザインの洗練性、走りの良さ、経済性の高さ、信頼性の劇的進化に加え、価格設定の戦略的適切さ、この2年間の魅力溢(あふ)れる新車攻勢、そして繰り返すが、世界最高峰の先進安全運転支援機能を含む、いたせりつくせりの商品力が、世界的に見れば小さな自動車メーカーと言えるボルボの飛躍的な伸びしろの理由と言ってよいだろう。

ボルボ

 クルマの安全性がことさら注目されている今、2008年に新しいボルボ車の交通事故による死亡者や重傷者を2020年までにゼロにするという「Vision 2020」を発表したボルボが、一段と輝いて見えるのも本当だ。

ボルボ

 輸入プレミアムカーとして、街に溢れるドイツ車に対して圧倒的に数が少ないという個性的かつこだわりの選択に映る魅力、新世代ボルボの新車攻勢と合わせて日本のプレミアムカー、プレミアムカーユーザーを知り尽くし、レクサスなどの自動車メーカーを歴任した現ボルボ・カー・ジャパンの木村社長の圧巻の手腕も、日本におけるボルボ躍進の原動力となっていることは間違いない。

ボルボ

 実際、モータージャーナリストであり、ドッグライフプロデューサーでもあるボクも、次期愛犬用愛車の筆頭候補は、ボルボなのである。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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