危険回避ができないことも! AT車ユーザーに多い遠目のドライビングポジションがもつ3つの問題 (2/2ページ)

無意識に渋滞の要因となることも

2)加速が鈍い

 ポジションが遠目で、普段からアクセルをちょこんとしか踏まない人は、必然的に加速が鈍い。高速道路の合流でも、工事などの車線規制が終わったところでも、渋滞が発生しやすい坂道に差しかかったときでも、サグ部でも、もう少しアクセルを踏み足すだけでスムースな流れをキープできるのに、なぜかダラダラとしか加速できない人がいる。

 おそらく彼らはポジションが遠いために、アクセルを踏み足しづらくなっていて、それが加速の鈍さにも影響しているはずだ。

3)腰痛や疲労の原因にもなる

 ポジションを遠くにとって、足の先っぽ、つま先部分だけでペダルを操作しようとすると、運転しているうちにお尻が少しずつ前にずれていき、姿勢が崩れてくる。

 とくに腰背部と背もたれの間に隙間が空いてくると、腰にストレスがかかるので、腰痛や疲労の原因になりやすい。

 腰は背もたれに密着させて、肘や膝が伸びきることなく、ハンドル操作、ペダル操作ができるポジションの方が、無駄な力も抜けて疲れにくくなる。

 身近なAT車ユーザーにも遠間のポジションを好む人がいたので、「もう1ノッチか2ノッチ、座面を前に出さないといざというとき危ないよ」とアドバイスしたことも一度や二度ではないのだが、彼らは「いや~、窮屈なポジションは嫌なんで……」と言い訳しながら頭を掻いていた。

 ひょっとすると愛車の車内を、自宅のリビングと同一視しているのかもしれないが、手足を伸ばしてリラックスするのは、クルマを降りてからにしてもらって、運転席でハンドルを握っているときは、ハンドルやペダルを最大限、支障なく操作できるポジションを何より重視してもらいたい。

 いまや乗用車の98%がAT車という時代なので、AT車ユーザーの人はもう一度ポジションを見直してもらって、(必要があれば)1ノッチでも2ノッチでも座面を前に出して、正しいポジションになるようにしよう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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