販売台数は100万台オーバーの怪物コンパクト! MAZDA3の先祖5代目ファミリアの衝撃 (2/2ページ)

若者がサーフボードを載せてドライブしたことが話題に

 それほどまでに人気が出た理由はというと、1980年代の幕開けとともに登場したという新時代感が大きいだろう。そのイメージを全身でアピールするエッヂシェイプの効いた直線基調でクリーンなデザインは、ライバルたちにはなかったもの。角目のヘッドライトも同様に未来感があった。

 なかでも赤いボディカラーが一番売れ、おかげで5代目ファミリアといえば赤というイメージだったし、当時としては画期的だった電動サンルーフが標準装備されていたXGというグレードが人気で、正確には赤いXGがヒットしたと言っていいだろう。実際は青も人気だったが、いずれにしてもボディカラーについてはそれまでにない色が新鮮だったのは事実だ。

 そして伝説的エピソードとして語り継がれているのが、「丘サーファー」たちがこぞって乗っていたということだろう。もともとは実際にサーファーが乗っていたのを見て、サーフィンをやらない若者たちが真似をして、サーフボードを赤いファミリアのルーフに乗せて街を走り回っていたのを丘サーファーと呼んだが、ファミリア人気に拍車をかけたのは事実だろう。

 エンジンは直4のみで74馬力の1.3Lと85馬力の1.5Lの2本立てで、こちらについては平均的なものではあったが、足まわりには2本のロアアームと長いとレーリングアームを組み合わたSSサスペンションを採用。さらにトルクステアの原因だった左右不等長のドライブシャフトを独自アイディアで解消し、ニュートラルなハンドリングを実現するなど、メカニズム面も意欲的だった。マツダだけでなく、その後の2ボックスFF作り全体に影響を与えたと言っても過言ではない。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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