操作ミスでの事故やトラブルも減るハズなのに「シフトレバーの操作方法」が統一されないワケ (1/2ページ)

バイ・ワイヤーが操作の多様化を可能にした

 かつて、シフトレバーといえば、操作方法はほぼ世界的に同じだった。それが近年では、同じ自動車メーカーであっても車種によって異なる。

 その最大の理由は、最近のクルマはシフトレバーと変速機側の操作が、金属ワイヤーやリンケージで直接つながっておらず、シフトレバー側の信号を変速機が受け取って変更する、いわゆるシフト・バイ・ワイヤーによっているからだ。ここで言うワイヤーは、金属製のワイヤーではなく、電線という意味である。

 同じことが、アクセル・バイ・ワイヤー、ブレーキ・バイ・ワイヤー、ステアリング・バイ・ワイヤーなどで展開されている。

 シフトレバー以外で、たとえばアクセル・バイ・ワイヤーが使われる理由は、必ずしも運転者のアクセル操作の通りにエンジンの出力調整を行わず、走行状況に合わせてクルマが判断できるようにすることで、たとえば燃費を改善できるなどを狙ったもの。ペダル操作の粗い人も繊細な人も、ほぼ等しく低燃費を実現できるようにしているのだ。

 ブレーキでは、衝突軽減ブレーキなどの作動に際し、運転者のペダル操作と関係なく急ブレーキを掛けられるようにすることが可能。

 ステアリングでは、運転者の操作と別に操舵を行うことで、たとえば緊急回避が必要な場合などにクルマの判断でタイヤの向きを変えられる。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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