シフトレバーを交換してパターン表記がないと違反! じつはATも「D」や「R」が表示されないとダメだった

この記事をまとめると

■MT車はシフトノブの付近の目視しやすところにシフトパターンを表記しなければならない

■社外品に交換した場合はシフトパターンを表示したプレートやステッカーなどで対応する必要がある

■AT車でも表記は必要だがセレクトレバー本体に表記されているのでノブのみの交換なら問題ない

シフトパターンはどこかに表記されてなければならない

 MT車のシフトノブを、純正品から本革、チタン、ジュラコン、デルリン樹脂などに材料置換したり、形状を換えたりするのは、わりとポピュラーなチューニング&ドレスアップ。交換作業も簡単で、DIYでもできるので、実際に交換している人も多いだろう。

 その際、気をつけなければならないのは、シフトパターンを目視しやすいところに表記しないと、保安基準違反になるということ。

 保安基準に「変速装置の操作装置又はその附近には、変速段ごとの操作位置を運転者が運転者席において容易に識別できるような表示をしなければならない」と明記されているのがその根拠。

 MT車の純正のシフトノブには、多くの場合、ノブの頭頂部にシフトパターンが刻印されているが、社外品のシフトノブのほとんどは、シフトノブ本体にシフトパターンは表記されていない。

 ただし、アフターパーツのシフトノブには、シフトパターンが表記されたプレートもしくはステッカーが付属されているので、それをシフトノブ付近に貼ることで、保安基準をクリアできる(5速MTのクルマに6速用のシフトパターンのシールを貼ったり、Rの位置が違う車種用のシールを貼ったりするのはNG)。

 上掲の保安基準の条文には、MT、ATの区別はないので、AT車でも事情は同じ。

 もっともAT車の場合、セレクトレバー本体にシフトパターンが刻まれていることはまずないので、シフトノブだけの交換なら、基本的に問題なし(AT車でシフトノブを交換する人は、かなり稀だと思われるが、念のため)。

 余談だが、筆者は自分の愛車で純正の本革シフトノブを20万km以上使用し、革の表面のシフト表示がほとんど見えない状態になってしまったことがある。その状態でユーザー車検で陸運支局に持ち込んだが、純正品の摩耗・消耗ということで、検査員から咎められることはなかった……。

 いずれにせよ、MT・ATを問わず、シフトパターンの表記はマストで、シフトノブをアフターパーツに交換したら、正しいシフトパターンのシール等を必ず貼るようにしよう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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