世間はオラオラ顔大流行! それでも新型ホンダN-WGNが癒やし系の顔を選んだワケ (1/2ページ)

N-WGNのコンセプト自体が毎日の生活になじむというもの

 2019年7月18日に発表されたホンダNシリーズの最新作が、スーパーハイト系のホンダN-BOXに対して、ハイトワゴン系となるホンダN-WGN(エヌワゴン)。その標準車の顔つきを見て、「おやっ」と思った人も少なくないはずだ。

 最近のボックス型の顔つきのトレンドは、イカつ顔。より立派に見せるためのデザインであり、それがなぜかウケにウケている。大型ではトヨタ・アルファード&ヴェルファイアの比較的大人しい版のアルファードまでが、今ではヴェルファイア同等以上の迫力ある顔つきになっていたりする。また、社内外で賛否両論の三菱デリカD:5の泣く子も黙るような強面(こわもて)デザインも、じつは時代の要請。それは三菱の新型軽自動車、ekクロスにまで波及している。

 とくに絶対的に小さい軽自動車は、キリリとした切れ目のヘッドライトを採用し、存在感を高めることが常識だったのである。にもかかわらず、新型N-WGNの標準車の顔は、先代の四角いヘッドライトから、穏やかに見える丸目のヘッドライトに大変身。これいかに、ということで、N-WGNの開発陣に丸目になった理由を聞いてみた。

 まずは、2代目N-WGNのキーワードを紹介すると、ズバリ、毎日の生活になじむ「ニューシンプル」である。そして、それを象徴するのが標準車の顔つきだという。

 先代の四角いヘッドライトを、グレードによってハロゲン、LED仕様となる「丸目」に変更したのは、まさに「ニューシンプル」をデザイン的に訴えるためなのである。

 つまり、軽自動車の全幅1475mmの制約ある車体の幅を広く立派に見せ、小さなものを大きく見せるのではなく、生活のパートナーにふさわしい“親しみやすい”表情を最優先にしたデザインなのだ。もちろん、ほとんどの軽自動車が採用する、当たり前の四角い目より、個性が際立つということも、折り込み済みのはずだろう。

 そもそもN-WGNのユーザーは女性が多く、顔つきに関する事前調査から、丸目により親しみを感じる、という結果が出ているという。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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