充電器設置代などの全コストを含めて比較! 電気自動車とガソリン車ホントにお得なのはどっち? (1/2ページ)

3年乗ればEVの充電器設置代が取り戻せる!

 電気自動車(EV)用に、自宅に200ボルト(V)の普通充電器を設置する際の費用は、約10万円というのが相場だ。もちろん、知り合いの電気技師に頼んで、より安くできた例があるし、もう少し費用が掛ったという場合もあるはずだ。費用の高低を分けるのは、一つは家の配電盤から駐車場までの距離で、その配線が伸びると数万円の差が出る場合がある。また、駐車場に設置する設備がコンセントのみの場合と、コネクターなどを収納するケースを取り付けるかどうかでも費用は変わってくる。

 次に、一般家庭の電気契約は、20Aというのが多いはずだが、これを30Aまで増やしておくと日常的に使う家庭電化製品との重複で、ブレーカーが落ちるなどの懸念を減らすことができるだろう。当然、電力契約の基本料金が違ってくる。東京電力を例にすると、一般家庭用の従量Bの基本料金として、20Aは561.6円/月のところ、30Aでは842.4円/月となる。毎月280円ほどの差だ。ほかに、夜トクプランを選ぶと、電力量料金が安くなるような契約もある。ただしその分、日中の料金は高くなる。

 電気代とガソリン代の比較では、1km走るための燃料代として試算してみる。日産リーフの電力消費は、一充電走行距離を伸ばせるe+で161Wh(ワット・アワー)/kmだ。これも東京電力を例に、電力量料金でもっとも高い金額で試算すると、1Whあたり30.02円なので、1km走るための電力量料金は4.83円と計算できる。

 では、ガソリンエンジン車ではどうか。日産車に適切な競合車種がないため、いま注目のマツダ3で見てみると、2リッターガソリンエンジンの燃費は15.8km/Lだ。7月半ばのガソリン価格でレギュラーガソリンが全国平均の139.9円として、1km走るための燃料代は8.85円と計算できる。したがって、リーフの1.8倍強だ。

 マツダ3にはディーゼル車があるので、こちらでも計算してみると、軽油価格を1リッターあたり121.0円とすると、20.0km/Lなので、1km走るのに6.05円になる。

 いずれにしても、燃料代金はEVの方が安いことがわかる。これが、充電コンセント設置費用とどう関係してくるかと試算してみると、年間1万km走行するとして、ガソリン車との年間の燃料代の差額は4万200円なので、3年後の最初の車検前までにはEVの方が安く、コンセント設置代金約10万円を取り返せる計算になる。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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