なぜ正式発表前にチラ見せする? 最近多い新型車のティザーキャンペーンを行うメーカーの狙いとは (1/2ページ)

新型車の事前告知開始と同時に旧型の在庫車を狙うという人もいる

 最近は新型車のティザーキャンペーンが積極的に展開されるのが半ば当たり前となっている。ティザーキャンペーンとは、わかりやすくいえば、新型車が正式発売される前の事前予告キャンペーンとなるだろう。今年9月に日本国内正式デビューともいわれている、次期型カローラセダン&ツーリングも、すでに特設サイトが解説されティザーキャンペーンが始まっている。

 メーカーが正式に何らかの新型車の情報提供を開始すれば、「この新車いいな」と思ったひとが取り扱いディーラーを訪れることもあるので、当然ながら販売現場にも、同じタイミングで新型車に関する情報がメーカーから届いている。たいていは、データもしくは紙ベースの、セールスマン向けの商品情報が掲載されたスタッフマニュアルが配布されているので、ディーラーへ出かけ、セールスマンにティザーキャンペーンの始まった新型車について問い合わせれば、そのスタッフマニュアルの情報をベースに商品説明を受けることができる。

 なかにはマニュアルそのものをカタログ代わりに使うセールスマンも多いようだ。その時点では正式な予約受注などはまだ受け付けていないケースも多いが、そのようなときでも購入希望意思を伝え、初対面ならば連絡先を告げておけば、その後予約受注開始などの動きがあった際に情報提供が受けられるはずである。

 また、ティザーキャンペーンと同時に、仮予約(納車の優先順位をつける)や、正式な予約受注を受け付けていることもあるので、とりあえずメディアやウェブサイトでティザーキャンペーンが始まったのを見て、気になった新型車があればディーラーへ出かけることをおすすめする。

 ティザーキャンペーン開始がここのところ早まる傾向になっているが、これは新型車だけでなく、現行モデルの在庫処分セールのようなものを兼ねているともいえよう。同じティザーキャンペーンを見ても、「こんな新型車が出るんだ」と思うひとがいる一方で、「新型車の事前告知をしているのだから、現行車は大幅値引きで買えるはず」と思うひともいる。ティザーキャンペーンには、“現行車ファイナルセール告知”のような側面もあるのだ。

 軽自動車以外の登録車では、一般的には新型車登場1カ月前にオーダーストップ(新規にメーカーへ生産を発注することができなくなる)となる。オーダーストップとなると、ディーラーが持つ在庫車のみの販売となるが、このタイミングになると、希望するグレードやボディカラー、希望オプションがついていないなど、自分の希望する仕様の在庫車がないこともあるし、オーダーストップ開始の時点で、すでにディーラー在庫車がかなり限定的となることも多いのである。オーダーストップになってしまうと、在庫車個々で一定の利益を出すことになるので、“指示値引き”のようなものが設定される。値引き交渉しても初回提示額からのアップ余力もかなり限定的となるので、あまり買い得ともいえない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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