自動車メーカーにもの申す! 一刻も早く全モデルに標準搭載すべき装備11選 (1/2ページ)

先進安全機能はより多くの新車に標準装備してほしい

 2020年以降、世界的に自動ブレーキの新車装着が義務づけられるが、これからの新車に不可欠だと思える装備はまだまだある。ここでは、何はともあれ、これからのクルマに標準化してほしい装備を、重要度に合わせてグループA(ぜひ標準化を)、グループB(できれば付けてほしい)に分けて提案したい。

グループA(ぜひ標準化してほしい)

1)前後踏み間違いブレーキ制御

 自動ブレーキの標準装着が始まろうとしているが、クルマをぶつけない……という意味では、それだけでは物足りない。今、アクセルの踏み間違い事故が急増していることもあって、自動車メーカーは前後踏み間違い制御機構を取り入れ始めているが、見識ある自動車メーカー、車種では、エンジン出力を絞る制御だけでなく、軽自動車でも“ブレーキ制御”を付加している。

 どちらがより安全かは、明白だ。これからはブレーキ制御付きが主流になってほしい。

2)ブラインドスポットモニター

 接触事故防止のために、自動ブレーキのつぎに有用だと思っているのが、ブラインドスポットモニター。後方の死角から接近してくる車両などを検知する機能で、レーンチェンジ時などの接触事故防止に役立つ。現状、上級車にしか装備されないが、軽自動車やコンパクトカーにだってぜひ装備してほしい先進安全装備のひとつ。

 ボルボやBMWなどは、さらに緊急回避のためのステアリング制御まで組み込まれているから心強い。日本車に関しては、そこまでの機能の採用はまだまだこれから。急いでほしい。

3)ACCの渋滞対応

 ACC(アダプティブクルーズコントロール)は、旧来のクルコンと違い、高速走行中、前車との車間距離を一定に保ってクルージングできる先進安全装備のひとつ。ゆえに、自動ブレーキが働く手前のプレ自動ブレーキの役割も果たし、高速道路での安全運転に大きな役割を果たす。ホンダはホンダセンシングの機能のひとつとして、最新の車種には標準装備されている。ただし、これからは全車速、0km/h~で作動する渋滞対応型が不可欠。サイドブレーキが電子式でないと、停車時、ブレーキをつかめず、数秒後にはクリープで動きだしてしまうこともあり、渋滞対応になりにくい。

 しかし、ACCが本当に役立ち、ありがたさを感じさせるのは、高速の渋滞時。すべてのクルマにACCが必要とは思わないが、付けるなら渋滞対応が不可欠と思える。ちなみに高速走行でACCを使うと、燃費が10%程度伸びる可能性もある。

4)サイド&カーテンエアバッグ

 どんな先進安全装備が付いていても、最悪、事故は避けられない。そこで乗員を助けてくれるのが、エアバッグ。現在、運転席、助手席は標準化されているが、側突、横転などにも対応するサイド&カーテンエアバッグもぜひとも標準化してほしい。新型ダイハツ・タントなど、軽自動車でもサイド&カーテンエアバッグを標準装備している時代であり、すべてのクルマに標準で付けるべき安全装備といいたい。

5)平均燃費計

 平均燃費計に対するボクの考え方は、「燃費を向上させるアイテム」である。平均燃費計が常に表示され、文字が大きく、見やすいと、実は燃費が向上したりする。理由は、例えば現在、14.9km/Lという平均燃費計の数値が目に入りつつ運転していると、何とか15km/Lに乗せたいという心理が働く。

 そこで、どんなアクセル操作をすれば15km/L台に引き上げられるかと、エコ走行のためのアクセル操作を学習できるのである。結果、実燃費が伸びていく、というわけ。平均燃費計が付いていても、文字が小さかったりすると、意味や効果が薄れるように思う。

6)バックモニター

 個人的にはもはや、バックモニターのないクルマでバックするのが不安。慣れは恐ろしい。昔はなくてもスイスイとバックできたのに。で、これからは、車体後方の壁、障害物はもちろん、歩行者、背の低い子供やペットとの接触を防ぐという意味でも、バックモニターは不可欠。しかし、ナビを付けないとリヤカメラはつかない……。そんなことはない、日産やトヨタの最新車種にあるような、ルームミラー内蔵のバックモニターなら、最悪、ナビなしでも車体後方の死角を確認できる。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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