【メーカーエンブレムを隠してでも売りたい!】日本車が圧倒的に強いタイ市場を狙う中国メーカー (1/2ページ)

前に中国車が走っていると車間を開けるという人も……

 タイは中国人の間で海外渡航先として人気の高い国。そのためか、スワンナプーム国際空港内のあちこちには中国語の看板があり、街なかでも中国語の掲示や看板をよく見かける。また、バンコク市内中心部の激安スーパーには、いつでもお土産をまとめ買いする中国人観光客でごった返している。

 もちろんタイの人たちの間にも、家電製品や携帯電話などの中国ブランド製品がよく出まわっている。2~3年前に空港から乗ったタクシードライバーが、前方のバスとやたら車間距離を開けて走っていたため不思議に思っていると、「前のバスは中国製だから、いつ故障して停車するかわからないから距離を置いている」と語ってくれた。

 さらに「俺のスマホは中国製だけど、調子が悪くて仕方ない」とも語った。いわゆる“あくまで個人の感想です”の世界だが、自動車生産では“東南アジアのデトロイト”と呼ばれ、家電などさまざまな製品の生産拠点となっているタイのひとたちは、中国製、というよりも中国ブランドを多少信用していない面はあるようだ。

 今回のモーターエキスポの会場内でBYDの貨物バンとなる「T3」が置いてあった。BYDも、いよいよタイ市場デビューか……、などと思い近寄ると何か違和感を覚えた。その違和感の正体は、車体の前後中央の“BYDエンブレム”に被せるように、“EV”というステッカーが貼ってあったのだ。気がつくと展示車のまわりにもブランドを誇示するようなものはなかった。

 上海汽車はMGブランドのタイ国内での現地生産と販売を行っているが、やはり極力“上海汽車のブランド”という中国車臭を消そうとしている様子が窺える。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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