【今さら聞けないタイヤの基礎知識】なにもしてないのに減る空気圧の不思議をヨコハマタイヤに直撃! (1/2ページ)

【今さら聞けないタイヤの基礎知識】なにもしてないのに減る空気圧の不思議をヨコハマタイヤに直撃!

空気圧は1カ月で約8%程度が抜けてしまう

 クルマ好きの方ならきっと「愛車にどんなタイヤを履かせようかな」と悩むことは多いはず。でも、せっかく選んだそのタイヤ、きちんと使えていますか? タイヤのブランドをたくさん知っていても、正しいタイヤの扱い方はよくわかっていない……。じつはそんな方も多いのではないでしょうか。そこで、タイヤの性能を最大限活かすため、プロフェッショナルである横浜ゴム株式会社の齋藤宏匡さんにタイヤの基礎知識をたっぷりお伺いしてきました!ヨコハマタイヤのタイヤ基礎知識企画

 今回は、日々タイヤを使うなかで、もっとも大切だと言っても過言ではない、タイヤの性能や安全を支える空気圧について深堀りしてみました。

伊藤:基本的な質問なのですが、どうしてタイヤの空気は抜けるのでしょうか?

 齋藤:タイヤはゴムでできているのは皆さんご存知ですよね。そのゴムには目に見えない小さな隙間があり、空気の分子はその隙間よりもっと小さいのでその間を通り抜けます。それがいわゆる「空気が抜ける」という状態です。風船を想像してもらうとわかりやすいと思いますが、口を縛っていても風船は徐々にしぼんでいきますよね。あれと一緒で、時間が経つにつれて、タイヤの空気も抜けていくという訳です。ヨコハマタイヤのタイヤ基礎知識企画

伊藤:なるほど! 徐々にタイヤも空気が抜けていくということですが、どのくらいのスパンで空気を入れ直せばいいんでしょうか?

 齋藤:タイヤの空気は一般的に1カ月で約5〜8%抜けていきます。たとえば、指定空気圧が240kPaのタイヤだったら、1カ月で約20kPa減少するということですね。ですので、1カ月に1回は空気圧をチェックして、もし減っていれば空気を入れてもらえればと思います。ただ、約20kPaの空気圧の差というのは、体感ではプロのテストドライバーがようやくその違いを察知できるというくらい実感しづらいものです。
それで「とくに困らない」という方も多く、そのままにされがちなのですが、タイヤは正しい空気圧を入れてこそきちんと性能を発揮しますので、愛車をベストコンディションで楽しむためにも、是非定期的に空気圧をチェックしていただきたいです。空気圧が低下すると燃費も悪くなりますしね。

伊藤:正しい空気圧はクルマをより快適に楽しむためにも必要なんですね。私も空気圧はまめにチェックしているのですが、空気を入れるのにベストなタイミングというのはあるのでしょうか?

 齋藤:クルマを走らせるとタイヤの内部の空気が温まり、空気の分子が活発に動きまわるようになります。それがいわゆる「内圧が上がる」という状態ですね。その段階で空気圧を測ると、どうしても高い数値になってしまうので、そうなると正しく空気を入れることは難しくなります。
ですので、空気を入れるのにベストなタイミングは、クルマを走らせる前です。ただ、家でタイヤに空気を入れることは難しいでしょうから、たとえば、帰宅直前にガソリンスタンドなどで空気を少し多めに入れておいて、翌日以降、クルマを動かす前にエアゲージで空気を抜いて適正値に合わせる、というのが簡単な方法だと思います。ヨコハマタイヤのタイヤ基礎知識企画

伊藤:エアゲージをお持ちでない方は、なるべく近距離にあるガソリンスタンドなどがいいかもしれませんね。また、そういった空気圧の点検やタイヤ交換のときに気になるのですが、エアバルブは交換した方がいいのでしょうか?

 齋藤:エアバルブもゴムでできていて劣化しますので、定期的な交換は必須です! タイヤ交換するときには、必ず交換しましょう。私も一度エアバルブが壊れて大変な目に合ったことがあるので(笑)、それは強く推しておきます。また、バルブにはバルブコアという精密な部品があり、これが壊れると空気が抜けてしまうので、バルブと一緒にこちらも確認して下さい。バルブにほこりや砂が入ったりすると壊れる可能性もあるので、バルブキャップもきちんと締めてくださいね。ヨコハマタイヤのタイヤ基礎知識企画

伊藤:うっ……。エアバルブは何度かケチったことがあるので、今後は気をつけます(笑)。また、「普通の空気の代わりに窒素ガスを入れると良い」と聞くのですが、そのメリットは何でしょう?

 齋藤:最初に「タイヤの隙間を空気の分子が通る」という話をしましたが、酸素よりも窒素の分子が大きく、隙間を通りにくいので空気が抜けにくいんです。そのため、最適な空気圧を長く保つことができ、少ないメンテナンスでタイヤの狙った性能を維持し続けられるのが大きなメリットです。
普通の空気であれば無制限に入れることができますが、窒素は特殊な精製装置が必要なので、その機械分のコストはかかってしまいます。ただ、4本で2000円くらいなので、ひとつの保険と思って入れておくのは良いと思います。

伊藤:とにかくタイヤは指定空気圧を維持して使うことが大切なのですね。クルマ好きの方は、自分の好みで空気圧をチューニングすることもあると思うのですが、その調整の幅はどのくらいあるのでしょうか?

 齋藤:空気圧は、指定より少し多めに入れるのは問題ないのですが、とにかく指定数値より下げないようにしていただきたいです。1カ月くらいで5〜8%空気圧が下がると言いましたが、その減少する分をあらかじめ多めに入れておくのはOKです。先ほどの例で言えば、空気圧の指定が240kPaのタイヤだったとしたら、+20kPaで260kPaくらい入れておいても良いということですね。
ただ、極端に空気を入れすぎると、大きな衝撃があったときにバーストしてしまうこともありますので、注意が必要です。全世界仕向けのタイヤであれば、サイドウォールに空気圧の最大値が書いてあるものもありますので、そちらも確認してみてください。

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