【後輪のほうが太いタイヤを履いているのに……】クルマのディスクブレーキは後ろの「キャリパー」が前より小さいワケ (1/2ページ)

大型キャリパーはハイパフォーマンスの証

 フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレン……、スーパーカーの外観で共通するのが、大型のブレーキキャリパーだ。アフターマーケットでのチューニングカーでも、ハイパフォーマンスの証として、イタリア・ブレンボ社製などの大型キャリパーを装着することが常識となっている。

 ただし、よく見てみると、大型キャリパーはフロントだけで、リヤはフロントより1サイズ小さなキャリパーがついている場合がある。どうしてなのだろうか? そのワケを考える上で、まずはブレーキの役目を再確認してみよう。

 ブレーキとは、制動装置と呼ばれるように、クルマの動きを制御するものだ。この動きとは速度を下げることを指す。その方法が、走行中に発生する運動エネルギーを熱エネルギーに変換することだ。つまり、ブレーキがよく効くというのは、運動エネルギーをいかに早く、効率的に熱エネルギーに変えるか、ということになる。

 具体的には、タイヤの中心軸に直結する回転部分での摩擦によって行う。密閉された空間の壁を内側から押すタイプが、ドラムブレーキ。外に露出した回転盤(ローター)を外から挟むタイプが、ディスクブレーキだ。どちらのタイプでも、放熱性が重要視される。ドラムブレーキは、放熱性でディスクブレーキに劣るが、コストが安いことや、悪路走行で安定的に作動することが優先される。

 ディスクブレーキでは、放熱性を上げる方法として、大きく2つの方法がある。ひとつは、摩擦力を増やすために、ブレーキパッドとローターの接触面積を拡大し、しかも接触力を均一にすることだ。その結果として、キャリパーが大型化していく。もうひとつの方法が、ローターの改良だ。ローター面に穴を開けたり、ローター断面に空間を作ったり、またはローターの素材をカーボンにするといった方法がある。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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