これが本来の姿だ! スズキ・アルトバンの軽自動車すぎる潔さ (2/2ページ)

今や当たり前の装備がアピールされている

4)5速MTがある

 クルマ好きの話題として「MTがないのはいかがなものか」的なものがあるが、アルトバンにはある。いわゆるハッチバックスタイルでMTがあるなんて夢のようではないか。エンジンは49馬力と、悪くはない。

5)ハイブリッド要らず

 車重はたったの600kgちょい。軽量を活かして燃費は26.2km/Lと財布も大喜び。エネチャージやアイドリングストップはなしだ。

6)装備が簡素

 豪華に越したことはないが、価格が跳ね上がるのはいかがなものか? と思っている人もいるのではないだろうか。オーディオはラジオのみでしかもスピーカー一体。パワーウインドウも上級グレードにオプション設定されるだけ。なんてったってウェブでキーレスエントリーや集中ドアロックをアピールしているほどである。今や当たり前の安全装備がほぼ付いていないのはどうかと思うが、装備表を見ると1990年代のカタログを見ているのかと錯覚するほどのシンプルさなり。

7)最大の見所はリヤシート

 初代アルトの「無理くりボンバン化精神」が残っているのか、後席はほぼ形だけ。シートバックは直立! レッグスペースは10センチぐらいか!? これは、商用車扱いとなるのが、前席以降の1/2以上が荷室でないとダメという基準に合わせたもの。後ろにも乗るならピンと背筋を伸ばして正座するか、前席をマックス前にずらすしかないだろう。子供なら乗れると思うが、後席は常時倒して、2シーターワゴン的に使うのが正解だろう。

「足に使うから豪華じゃなくていい」という声はよく聞く。究極のシンプルグルマがこのアルトバンだ。知らない間に永遠のライバルであるダイハツ・ミラからはバンが消滅。乗用車であるミライースのBというグレードが後継車とされるが、そもそも乗用だし車両価格が高い。

 アルトバンには前までは3ドアもあって、MTを選べば「3ドアハッチのMT」という一見すると、ホットハッチ的な楽しみ方も。装備が簡素なのが気になる人もいるが、小型イタ車バカの小生からするとなんだか共通する部分はとても多い。要は「クルマってこれでいいんだよ」精神である。ある意味、希少グレードすぎて取材用の車両は用意がないので乗ったことがないが、たぶん楽しいだろう。

 運転したことがある、先代のバンはそこそこのパワーを絞り出しつつ、活かしつつ、軽量ボディを感じながら走るのは楽しかった。ホントのピュアを楽しみたい方にオススメだ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

-

愛車
フィアット500(ヌウォーバ)/フィアット・プント/その他、バイク6台
趣味
レストア、鉄道模型(9mmナロー)、パンクロック観賞
好きな有名人
遠藤ミチロウ、岡江久美子

新着情報