「4WDは高くて買えない」ケースじゃなくても積極的に「2WDのSUV」を選ぶメリットとは (2/2ページ)

2WDを選ぶことによって100kg軽くできることも

 2WDのほうが機構的に軽いため(RAV4の場合で約70kgの差)と、車重が大人の男性一人分+ほど軽いことが多く、そのぶん、同じパワーユニット、動力性能のスペックなら、4WDより2WDのほうが走りはずっと軽快で、SUVにして爽快感あるドライブフィールを味わうことが可能。とくに1.5リッターNA級のエンジンを搭載した小排気量のSUVでは、たかが70kgの重量差でも、体感的、実質的加速性能の差は無視できないレベルだったりする。

 2WD/4WD、MT/ATを揃えるマツダCX-3のXD=クリーンディーゼルモデルの例では、体感的にも速く、軽やかに感じる組み合わせの順では、2WD+6速MT→2WD+6速AT→4WD+6速MT→4WD+6速ATとなる(逆に4WD+6速ATは重厚で上質感あるドライブフィールになる)。何しろ、もっとも軽量な2WD+6速MTと、もっとも重い4WD+6速ATモデルの車重差は100kgもあるのだ。

 それと同時に、燃費性能にしても、軽量かつ走行抵抗の少ない2輪駆動モデルは有利だ。トヨタ・ライズの例では、JC08モードで2WDは23.4km/L、4WDは21.2km/Lで、約10%の差がある。ホンダ・ヴェゼルHYBRID Honda SENSINGに至っては、2WDが27.0km/L、4WDが23.2km/Lと約15%もの差になったりする。

 それだけではない。使い勝手面でも2WDが有利になることがある。それは、ラゲッジルームの容量で、4WDモデルはおもに床下収納が小さくなるのが普通で、トヨタ・ライズ、ダイハツ・ロッキーの場合、後席使用時の2WD車のデッキボード下(床下収納)を含むラゲッジ容量は、ボディサイズからは想像もできないぐらいたっぷり容量の449リットル(床下収納は大容量)。しかし、4WD車は後輪の機構上、床下収納が浅くなるぶん、407リットルとなるのである。2WD、4WDともに床上の容量、使い勝手はほぼ同じであり、4WDの407リットルでも十分といえるが、アウトドアグッズなどで荷物を満載する際には、床下収納の容量の差によって、使い勝手に違いが出てくるかもしれない……。

 というわけで、あくまでオンロード派で、普段使いの乗用車としてSUV、クロスオーバーSUVに乗りたい都会派ユーザーにとって、”2WDの選択肢はアリ”であり、トヨタ・ライズ、ダイハツ・ロッキーなどのように最低地上高が180mm以上あれば(ライズとロッキーは185mm)、一般的な乗用車では車体の底を擦りそうな、ちょっとした凸の乗り越えにも威力を発揮してくれるはずだ。

 が、そんな話の後で恐縮だが、個人的にはせっかくSUV、クロスオーバーSUVを手に入れるなら、迷わず4WDを選択する。オフロードや極悪路を走る予定がなくても、都会のドカ雪、冬のリゾートドライブでは、もちろん2WDでも最低地上高に余裕があれば、一般的な乗用車より安心して走れるとはいえ、4輪を駆動する4WDとの走破性の差は小さくない。

 また、いつ起こるか分からない災害時にも、SUV、クロスオーバーSUVの最低地上高の余裕と4WD性能は、さらなる安心と危機回避性をもたらしてくれると思うからである。実際、東日本大震災で決して小さくない被害を被ったわが家の周りでは、以来、SUV×4WDの所有比率ががぜん、高まっていたりする。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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