無駄にしていたエネルギーを効率よく回収するための技術
回生ブレーキというのは最近よく耳にする言葉だし、多くのクルマに装備されている。簡単に言ってしまえば、駆動に使っているモーターをブレーキング時には逆に回して少しでも発電して、バッテリーに溜めようというもの。
最近では電気自動車やハイブリッドでなくても、回生ブレーキを装着しているクルマもあって、普及が進んでいる。モーターを発電機として使い、それを回すことは抵抗になるので減速に使えるため、要はブレーキで熱に変えて捨てていた減速エネルギーを電気に変えようというものである。
システムや目的はさておき、最近の電気自動車やフルハイブリッド車などでは、回生ブレーキで減速する割合が高く、いわゆる従来からの油圧ブレーキをほとんど使っていないと言ったら驚くだろうか(当然急制動時などは除く)。メーカーの開発者に聞いても「イメージとしては最後に止まるときにキュッとひとつまみ程度」とのこと。逆を言えばそこまでは回生ブレーキを使って減速しているというわけだ。当初はアナログブレーキの割合が多くエネルギーの回収量も少なかったが、大きく進化していることになる。
フィーリング的に間違えやすいのだが、シフトダウン(プリウスなどのBレンジなど)すると、ブレーキペダルを踏まなくてもエンジンブレーキがかかったようになって減速するが、この状態では回生量もマックスにはならず、増やすためにはやはりペダルを踏むほうがいい。2000年代初頭のまだあまり普及していなかったころに、「ブレーキランプが付くと回生量が増えるようになっています」との説明を受けたことがあったが、これは誰にでもイメージしやすく説明しているだけで、要は必要な制動力ををアナログブレーキと回生ブレーキで制動力をシェアするということを指していたわけだ。