かつてバカ売れした時代も! 新車ディーラー独自のイマドキ「特別仕様車」は買いか? (2/2ページ)

下取り査定時ディーラーオリジナル車はベースグレード扱い

 ミニバンでは、リヤエンタテインメントシステムも含めた、純正ではない汎用カーナビベースのシステムの販売促進を強化しているが、これも極端な例としては型落ち商品をかなり格安で仕入れて、そこそこの価格を上乗せして販売するといったケースもある。

 とくにドレスアップパーツについては好みで選ぶものなので、自分の判断で割安と感じればもちろん購入しても構わないが、ディーラーオリジナル車は下取り査定時には、独立したモデルではなくベースグレードとして値付けされてしまうため、期待した査定額が提示されないケースも多いので注意してもらいたい。

 メーカーが生産工場で前述したタコメーターのないベースグレードに、タコメーターをつけるなどの特別装備を装着した特別仕様車は、たとえばトヨタ車ならばベースグレードの型式番号の末尾に(A)などというものがつき、正式に独立したグレードとなっている。このようなケースでは、トヨタ以外のメーカー系ディーラーでも、型式指定番号や類別区分番号などで、“●●リミテッド”というグレードであると確認できるので、独立したグレードとして下取り査定が行われる。

 ディーラーオリジナル車は、手間を省き、お気に入りのドレスアップ状態に割安で仕上がっていることが購入者の魅力となり、販売側としては新車に付加価値をつけて販売でき、利益アップにつながるものとなっているのである。

 ただ、昨今では運輸支局のディーラーへの違法改造についての抜き打ち監査も目立つ。数ミリでもタイヤがフェンダーからはみ出していれば違法改造として指摘されるとのこと。さらにいまではメーカーがすでにGRやNISMOバージョンなどをラインアップしており、確実に合法的なモデルも多く存在するので、オリジナルドレスアップ車を用意するディーラーは限定的ともいえる。

 しかし、実際に某輸入車ブランド系で、積極的に汎用ドレスアップパーツや、エンジンチューニングパーツなどの物販を行い、しっかり利益を上げているディーラーを取材したこともある。そこでは、エンジン内部のエアクリーナーなどについても、積極的にパワーアップにつながる汎用品に付け替えたり、シートについては、購入する人のかなりの割合でブランド品に替えるひとも多い。購入者の希望に合わせてカスタマイズするだけでなく、自社でカスタマイズモデルを積極的にラインアップし、販売を行っている。

 こうなると、同じモデルを販売するほかのディーラーよりも付加価値が高いので、遠方からもクルマを買いに来る人がいたり、リピーターとなるお客や積極的に増車するお客も目立つ。表現は悪いが、やはりいまどきでも輸入車に積極的に興味のある人は、身分の安定した公務員や、所得に余裕のある人が多いので、“いかに財布から多くお金を引き出すか”ということからも、ドレスアップなどは有効なセールスツールなのである。そのため当然ながら台当たり利益もより高まることにもつながる。

 また、アルファードを扱うあるディーラーでは、単に汎用ドレスアップパーツを装着するのではなく、専門のカスタマイズ業者とコラボレーションし、専用オリジナルペイントに塗り替え、ボンネットもオリジナル仕上げを行い、エアロパーツもオリジナルなものを開発して装着するなど本格的なところもある。ここまで特別感があれば、ディーラーオリジナルモデルとはいえ、リセールバリューも専門業者へ売却すれば十分期待できるものとなるだろう。

※写真は標準のトヨタ・アルファード

 ただ正規ディーラーで販売する限りは、違法改造とならない範囲にとどめるのはマストとなるので、ディーラー経営陣の経営判断だけでなく、経験や知識の豊富なスタッフがいないと、難しいところもあるようだ。とくに、販売現場の最前線に立つセールスマンがしっかりしたエアロパーツなどの商品知識や、カスタマイズについて造詣が深くないと、このようなモデルの購入を検討しているひとの興味や知識量に追い付かず、愛想をつかされて商売に結び付かないという、実際の商売上の難しさというものもあるようだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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