正式名称? 俗称? スチールホイールはなぜ「鉄チン」と呼ばれるのか

この記事をまとめると

■ホイールにはスチールホイールとアルミホイールの2種類がある

■スチールホイールは「鉄チン」と呼ばれる

■なぜこのように呼ばれるのかについて解説する

一説には鉄の成形時に下敷きにする鉄の塊の名が由来と言われる

 ホイールには大きく分けてふたつあるのはご存じだろう。スチールホイールとアルミホイールで、名前からわかるように素材の違いだ。今やアルミホイールが、多くの廉価グレードにも標準化されているし、スタッドレスに付ける安いホイールも低価格化が進んだアルミホイールにする事例も増えてきた。

 その昔はアルミホイールというのは憧れの存在であり、スチールホイールが当たり前の時代が長かった。その際に愛称的に使われたのが「鉄チンホイール」で、略して「鉄チン」とも呼ばれた。最近ではそう呼ぶこともめっきり減ったが、もちろん使われなくなったわけでもない。

 なんとなく、スチールホイールのもつ、無骨というかシンプルな感じをうまく表しているが、鉄はいいとしてもチンは何を表しているのか、よく考えると意味がわからない言葉ではある。

 じつは確定的なことはわからず、恐らく俗語的に自然発生した言葉で、一番有力なのは「鉄砧(てっちん)」が由来という説。あまり使われない言葉だが、パソコンやスマホなどで「てっちん」と打つと「鉄砧」にきちんと変換される。

 てっちんは金床とも書くことからもわかるように、鉄を打って鍛えたり、成形する場合に下敷きとして使う、鉄の塊のこと。ホイールキャップを外したスチールホイールは黒くて、塊感が強いことから、鉄チンという言葉を使いだしたのだろう。

 使われだしたのは昭和というのは確実で、昭和30年代に使っていたという意見もあるが、正確なことはわからないのは残念なところだ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

-

愛車
フィアット500(ヌウォーバ)/フィアット・プント/その他、バイク6台
趣味
レストア、鉄道模型(9mmナロー)、パンクロック観賞
好きな有名人
遠藤ミチロウ、岡江久美子

新着情報