「アクア」から「フィット」など他メーカー車への乗り替えは「下取り」で損をする? (1/2ページ)

他メーカーのクルマはオークションに流通させられることが多い

「今はトヨタのアクアに乗っているが、ホンダ新型フィットを見たら、内外装のデザインと後席の広さが気に入った。そこでフィットに買い替えたいが、メーカーをトヨタからホンダに変えて、下取りに出すアクアを買い叩かれる心配はないのか?」。このような悩みを抱えることもあるだろう。

 複数の新車販売店に尋ねると、もっとも多いのは以下のような返答だ。「基本的には自社製品を高く買い取る。他メーカーのクルマは自社の中古車販売店では扱えず、オークションに流通させることが多い。その点で自社製品なら、コストを抑えられるからだ。また自社製品を乗り継ぐお客様なら、今後も長い付き合いになる可能性が高い。ただし自社と他社の下取り額の違いはさまざまだ。自社製品だから下取り額を高めたのに、買い取り店がさらに高額の条件を提示して、下取りできないこともある」。

 レクサスの販売店では次のような話が聞かれた。「レクサスは新車の値引きをしない代わりに、レクサスの下取り車には高めの査定額を提示する。当店で購入されたレクサス車を数年間使い、当店で再び新車を買う場合は、下取り条件もかなり良くなる」。これはユーザーを逃さない基本的な戦略だ。自社製品については、他メーカーの販売店よりも高く買い取ることで、顧客が他社に流出するのを防ぐ。

 ちなみに以前のマツダ車では、新車時の値引きが多い半面、数年後に他メーカーの販売店に下取りに出すと買い叩かれることもあった。そのためにマツダ車を何台も乗り継ぐことになったが、レクサスのように他メーカー系列に比べて高額で下取る場合も、結果は同じことだ。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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