ハイブリッド車ならではの気になる劣化も! 新車からCR-Zに10年乗って感じた「10個」の気になるところ (2/2ページ)

バッテリーの劣化により燃費の悪化も!

 6つ目の変化は、燃費が悪くなったこと。当初は、高速7割:一般道3割くらいで200kmほど走ると、22~23.0km/Lの実燃費が表示されていました。CR-ZのCVTモデルのJC08モード燃費が23.0km/Lだったことを考えると、大満足の燃費だったのですが、今ではそれが17~19.0km/Lまで落ち込み、市街地走行のみだと15.0km/Lほどにしかなりません。原因としては、バッテリーの劣化が大きいのかなと感じています。

 7つ目の変化は、おそらく足まわりのダンパーがヘタってきており、乗り心地がとても悪くなってしまったこと。とくに高速道路を走っていると、継ぎ目などでドーンッと尻モチをついたように大きな衝撃がくることが多くなってしまいました。こうなったらもう、無限などで販売しているスポーツサスペンションなどに交換するのも一つの手だとは思うのですが、個人的にはノーマルの足まわりがとても気に入って購入したので、できれば純正のサスペンションを手に入れて交換したいと思っています。なかなか出物がないんですけどね。

 8つ目の変化は、ライトが暗いと感じるようになったこと。上級グレードのαは、ヘッドライトにディスチャージ(HID)が標準装備となっていました。それが今では、前後ともにLEDライトを採用するクルマが増えてきたり、LEDの数も圧倒的に増えているので、夜間走行をしていると自分のクルマのライトが本当に点灯しているのか、たまに不安になるくらい暗く感じてしまうのです。ヘッドライトの電球は一度、切れてしまって交換しましたが、それでも最新のクルマの明るさには敵わないようですね。オートライトはありますが、今では軽自動車にも採用されているアダプティブ・ヘッドライトなどの機能もないし、ちょっと物足りなくなってきています。

 9個目の変化は、やはりナビや通信などの時代遅れ感。インターナビの出始めの頃だったので、2年間の通信料が無料となり、地図のアップデートも1回か2回までは無料だった記憶があるのですが、それ以降は1回の地図更新で1万5000円もかかると知り、まったく更新していない状態です。この10年の間に新しく開通した道は当然ながら反映されていないので、ここ数年はもっぱらスマホのナビ頼り。純正のカーナビはラジオや音楽を聴く道具に成り下がってしまいました。声で電話をかけてくれる機能もあるにはあるのですが、私の滑舌が悪いのか? 一度も認識してもらったことがないので、ほとんど未使用。今は、「ハイ、メルセデス!」みたいなコネクテッド機能があるクルマに憧れています。

 ラスト10個目は、安全装備や運転アシスト機能の古さを痛感すること。衝突回避ブレーキや踏み間違い防止機能はおろか、クルーズコントロールも追従機能ナシなので、最新のクルマに乗ったあとに自分のクルマに乗ると、余計に不安や不便さを感じるようになっています。ほんの5年くらい前までは、周囲の人たちも「自動ブレーキとか追従なんて無いほうが気楽だよ」なんて言っている人が多かったのですが、今では「あったほうが安心だよね」という風潮。やはり、悲惨な事故の報道で世論が動いたことなども影響しているのかなと思います。

 というわけで、10年乗って感じた10の変化をご紹介してきました。ハイブリッドが珍しかった10年前とは違い、今では当たり前になってEVも増えてきているし、安全装備が軽自動車でも充実してきたりと、とくにこの10年は自動車技術の進化が劇的だったと思います。そして激動の時代はまだまだ続いているので、今からクルマを買うならば、そうした変化を見越して、なるべく長く満足して乗れるクルマを見極める目を持つようにしたいですね。ただ、私自身は今でも愛車が嫌いになったわけではないので、これからもできる限り大切にしていきたいと思います。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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