空気に触れると劣化するものも!
クルマにはいろいろなところに油脂類が使われているのはご存じのとおり。エンジンオイルやミッションオイル、ブレーキフルード。オイルではないが、冷却水というのも液類という点では、同じような扱いとなるだろう。
これら、どれもが消耗品で、走行距離に合わせて交換するものだが、乗っていないとどうなるのか? たとえばエンジンオイルは、1年毎といった時間でも管理しているので、乗っていなくても劣化するということはわかる。そのほかの油脂や冷却水でも時間での指定があれば同様で、あまり使っていない天ぷら油でも、しばらくすると自然に味が落ちてくるのと同じだ。
気になるのはミッションオイルやATFのように、距離しか指定がない場合で、劣化しないのかというと、空気に触れている以上はもちろん乗らなくても劣化はしていく。ただ、時間での指示がないのはなぜかと技術者に聞くと「エンジンオイルのように激しくかき混ぜられ、空気に触れて劣化していく度合いが小さいから」というのが理由だったりする。
それでも心配な場合は、1年での走行距離を1万km(実際の平均はもっと少ない)として換算して計算するといい。たとえば5万km毎の交換指定だったら、1万kmで割ると、5年になるのでそれで交換する。
逆にブレーキフルードは作動回数よりも、吸湿性の高さが原因で乗らなくても確実に劣化は進んでいくので、車検毎といった時間での指示だけとなる。
一方、新品でボトルなどに入れて保管する場合はどうなのかというと、たとえばエンジンオイルなら経験上5年ぐらいは持つように思う。そこまでは持たないという意見のほうが多いが、エンジンに入れた場合、高温にさらされ、常にかき混ぜられながも1年は持つことを考えると、なにもしない新品なら5年は持つのではないかというのが理由だ。この点については、オイルのプロに改めて取材してみたい。
いずれにしても、劣化の進行具合を考えて、無理に先延ばしするのではなく、交換指示を守って定期的に替えるのが鉄則だ。