「乗用車」と「トラック」が互いにイライラする日本の日常! なぜ海外は関係が良好なのか? (2/2ページ)

アメリカは「労組」の力が強くドライバーにゆとりが感じられる

 あくまでも私見だが、日本のトラック輸送は時間厳守が厳しいのではないだろうか。むろん、トラック管理会社の経営方針によっても、状況は違うと思う。また、近年は輸送業界でも、働き方改革は着実に進んでおり、安全運航第一のため、十分な休息時間も確保するよう業界内でのガイドラインが作成されている。

 それでも、そもそも日本は時間厳守に厳しいなかで、物流事業者に対する各方面からの要求が高い。そうなると、トラックドライバーの急ぎたい気持ちのなかで、乗用車ドライバーに対する心の余裕が薄れてしまう場合があるのではないだろうか?

 一方、欧州やアメリカの場合、トラック業界での労働組合の力が強い。自動車工場で働く人たちや、ハリウッドなどで働く映画産業関係者でも、日本と比べて明らかに労働組合の影響力が強いことと同じだ。

 そうしたなかで、トラックドライバーはトラック管理会社に対する立場も強く、結果的に乗用車ドライバーに対する心の余裕が生まれやすい環境にあるのではないだろうか?

 筆者は、全米各地を移動する際、長距離トラックが利用する大型ドライブインをよく利用し、トラックドライバーと同じシャワー室を使い、ビュッフェスタイルのレストランで食事を獲る。日本に比べて長距離トラックの移動距離は長いため休憩時間は十分にあり、さらに労働組合の後ろ盾もあり、ドラックドライバーは大らかな感じの人が多い印象だ。

 一方で、日本では近年、国がトラック各メーカーと連携して、新東名などで自動運転によるプラテゥーニング(電子連結走行)の実証試験を行っている。こうした新技術によって、安心安全な運航はもちろんのこと、ドライバーの心の余裕を持ってもらうことで、日本でのトラックと乗用車の関係が円満になることを期待したい。

※写真はすべてイメージです。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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