EVの税制控除終了でアメリカはEV在庫の山! とはいえ「完全にやめた」とはできないEV開発の裏事情 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■米国のEV税額控除終了でアメリカの大手ブランドは在庫車のセールを始めた

■GMが内燃機関へ回帰する一方でテスラはミドル層の取り込みに奔走している

■新興メーカーによる「低価格EVピックアップ」が新たな注目株となっている

アメリカでもEVがいよいよ失速気味に

 アメリカでは2025年9月末をもって、連邦政府による7500ドル(約123万円)となる、BEV(バッテリー電気自動車)購入に対する税額控除が終了した。終了直前直後に、たまたまアメリカでもBEV普及に積極的なカリフォルニア州南部に滞在しており、税額控除終了によるバタバタを目の当たりにすることができた。

 すでにこの税額控除対象車はほぼアメリカンブランドのモデルに限られていた。日系で税額控除対象となっていたのはホンダやアキュラブランドのクルマとなるが、いずれもGM(ゼネラルモーターズ)工場製であった。ただ、2024年の同時期に訪れたときと比べると、ベトナムのヴィンファストのクルマなども意外なほど目にすることが多かった。地元で聞いてみると、税額控除対象外のBEVでは税額控除相当額、もしくはそれ以上となる独自のディスカウントをして販売していたブランドもあったとのことだった。

 アメリカンブランド製BEVに手厚いEV税額控除であったが、税額控除終了後、つまり10月になってもGMやフォードなど一部アメリカンブランド系ディーラーには大量の在庫BEVが残される結果となり、その後も税額控除分プラスアルファというディスカウントプライスで販売が継続されることとなった。そして2026年になろうかというタイミングで、アメリカンブランドは相次いでBEVの生産および販売の大幅縮小に伴うコストを計上することとなった。

 現地で聞いた限り、少なくともトランプ政権が続く以上は政府による積極的なBEV普及策というものが期待できないものの、次の大統領選挙で民主党政権が誕生すれば状況は180度変わり、再び全米規模でBEV普及へ舵をきることになるだろうとのことで、BEVの開発を含めて全面的に行わないという決断もできないとの話も聞いている。

 かつてはビッグ3、いまではアメリカン3といわれているのが、GM(ゼネラルモーターズ)、フォード、クライスラー(ステランティス傘下)の3メーカー。このアメリカン3のなかで、とくにBEVに積極的な姿勢を示していたのがGMである。日本でもキャデラックブランドのBEV、リリックが正規輸入販売されている。そのGMが今後、ICE(内燃機関)の新型車の投入を積極化させるとして話題となっている。

 既存ラインアップの大幅改良をメインに進めるようだが、キャデラックブランドでは新規投入のICE車の存在も示唆したとして話題となっている。報道によるとキャデラックブランドは、2030年までにラインアップすべてを電動車にするとしていたなかでの、大幅な軌道修正だとしている。

 この動きはキャデラックブランド以外で、BEVを積極的に投入していたシボレーブランドにおいても新規ICE車の投入が検討されていると報じられている。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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