完全に消滅するモデルと現行型の最終仕様
「ファイナルエディション」。この言葉には特別な響きがある。そのモデルにおける最終仕様という熟成の魅力を感じさせる部分もあれば、人気モデルの最後を飾るという惜別の思いも想起させる。またコレクター的な視点からは、貴重なグレードといった点を評価することもあるだろう。
ひと口にファイナルエディションと言っても、その性格は大きく2タイプにわけられる。ひとつは、モデルネーム自体がこれにて途絶えてしまうような、本当に最後となってしまう場合。もうひとつが後継モデルの用意はあって、現行型の最終仕様という位置づけの場合だ。
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このあたり、ファイナルエディションの販売終了後にフルモデルチェンジが実施されたかどうかで結論が変わってくるので、現在進行形のファイナルエディションについて、どのモデルがどちらに分類されるのかを明言することは難しい。
2023年に8台限定で販売された”ジャパンファイナルエディション”をもってモデルとしての使命を終えたアウディR8は本当にモデルとして最後となったパターンだ。
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国産車でいえば、2015年にランサーエボリューションの特別仕様車としてつくられたファイナルエディションも、まさに有終の美を飾る1台だったと言えるだろう。
一方、現行モデルの最後という意味で、特別なバリエーションを仕立てたケースで印象深いのは、ユーノス・ロードスターの例だ。初代ロードスターの最晩期と言える1997年に登場した”SRリミテッド”は、ファイナルという言葉こそ使っていないが、ファンのあいだでは「サヨナラリミテッド」として知られる実質的なファイナルエディションだった。
もちろん、ユーノス名義のロードスターとしては初代モデルが最初で最後と言えるのだが、ロードスターと言うモデル自体はいまもしっかりと続いているのは言うまでもない。
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ネーミングに込められた「いつか帰ってくる」思い
これらの中間的なパターンとして、スバルWRX STIの”EJ20ファイナルエディション”がある。EJ20ターボエンジン+6速MTというパワートレインについては最後となったが、WRXというモデル自体は継続している。今後、電動化時代にふさわしいSTIバージョンも期待できる。決してWRXが終わってしまったわけではないのだ。
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希少価値を求めるコレクターや、転売目的で購入する層にとっては本当のファイナルエディションであってほしいと思うかもしれないが、真のファンであれば「ファイナルエディションといいつつ、名前や精神を受け継ぐ後継モデルが出てきてほしい」と願うべきかもしれない。
その意味においてはマツダがRX-7やRX-8の最後を飾る特別仕様車に用いた”スピリットR”というネーミングは秀逸だった。”R”というアルファベットにはロータリーという意味だけでなく、リターン(いつか帰ってくる)という思いが込められているからだ。
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実際、RX-7の生産終了から半年強の空白があってRX-8は誕生しているし、RX-8の生産終了から最新のロータリーエンジン搭載車「MX-30 Rotary-EV」が出るまでは11年の期間を要した。それでも、スピリットRという特別仕様車があったからファンは待ち続けることができたのかもしれない。
それはさておき、果たしてファイナルエディションには、各メーカーがどんな思いを込めているのか……さらに深掘りしてみよう。