自動車メーカーのレース活動は続々「EV」へシフト! なのに市販車のスポーツEVが登場しないワケ (2/2ページ)

- 名前:
- 桃田健史
- 肩書き:
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- 現在の愛車:
- トヨタ・ハイエースキャンパーアルトピア―ノ等
- 趣味:
- 動物たちとのふれあい
- 好きな有名人:
- 聖徳太子(多くの人の声を同時にしっかり聞くという伝説があるので)
最大の理由は、スーパーEV市場がまだ形成されていないからだ。2010年前後、アウディやメルセデス・ベンツは、テスト用として、またメディアを巻き込んでのプロモーション向けとして四輪駆動などのスーパーEVプロトタイプを制作したことがある。
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だが、その後にEVは大手自動車メーカーの予想に反して、市場の拡大速度はかなり緩やかだった。仮に、「リーフ」や「i-MiEV」が大化けしていれば、またはテスラの対抗馬として大量生産型のEVメーカーの事業か成功していたならば……。そうすればEVとしての市場基盤ができ、そのなかで超ド級のスーパーEVに対する富裕層からのデマンドが生まれていたかもしれない。
しかし、現実には2020年代に入ってやっと、量産型EVがボチボチと出始めている状況。今後どのように普及していくのか、正直なところ先読みが難しい。そんな段階で、スーパーEVの商品企画にメーカー上層部は乗り気ではないはずだ。
当面は、スーパーカーからスーパーSUVの拡大が進み、そのなかでマイルドハイブリッド化やプラグインハイブリッド化となるのが筋ではないだろうか? スーパーEVのデマンドが生まれるのは、まだ当分先になるように感じる。