データ分野においての業界進出が自動車メーカーにとっては驚異
一方、iPhoneと対等するアンドロイドフォンの事業基盤を持つグーグルは、車載器との連携に加えて、車載器自体のデータ活用についても言及した。それが、「アンドロイドオート」と「アンドロイド車載OS」だ。こうした流れと並行して、自動運転技術というハードウエアの分野にグーグルが本格参入。その後、ウェイモとして分社化された。
そのほか、自動運転では、インテルやエヌビディアなど半導体等の大手も画像認識技術の量産化をきっかけとした、データ管理ビジネスを展開。メルセデス・ベンツが2020年夏にエヌビディアと包括的な契約を結ぶなど、新たな展開も生まれている。
このように、トヨタなど自動車メーカーがITジャイアンツを脅威と見る最大の理由は、ハードウエアでのライバルになる可能性を懸念しているのではなく、自動車がデータ産業の世界に引きずり込まれた際、勝ち目がないかもしれないという危機感だ。
2030年代、そして2040年代。自動車産業は外から見ると、現在(2020年)と大きな違いはないかもしれない。でも、ビジネスの実態としては、マネタイズ(換金化)の方法が現在とは大きく変化している可能性がある。