海外はスポーツカーに大型SUVまで「EV」化! 日本の「電気自動車」は「街乗り用」という認識は間違い? (2/2ページ)

日本では欧州ほど規制が厳しくないため爆発的普及とはならない

 実際、CO2排出量規制を考えるとそんな悠長なことは言っていられないのが現実だ。とくに欧州では、CAFE規制といって企業としてのCO2排出量を、販売台数と各モデルCO2排出量を掛け算して算出する方式で規制をかけている。そのなかで、BEVというのはCO2排出量をゼロとしてカウントすると決まっているので、本当に急いでBEVを“売る”必要がある。車両単体としてビジネスとして成立するか否かという話ではなく、とにかく一定数のBEVを売り、企業としてのCO2排出量を規制値以下に抑えることが求められている。

 Honda eが日本で受注停止になっているのは、そもそも欧州メインで日本への割り当てが少ないためであるし、日本ではマイルドハイブリッド仕様から販売開始するマツダMX-30も欧州向けとしてはBEV仕様をローンチしているのも、同様の背景だ。

 なお、日本の場合は2030年度から実施予定の新しい燃費規制では『電気自動車及びプラグインハイブリッド自動車について、ガソリン自動車等と比較可能にするため、ガソリンや電力等が車両に供給されるよりも上流側のエネルギー消費効率を考慮した Well-to-Wheel(WtW)の考え方を用いて評価する』と発表されている。つまり、BEVのCO2排出量をゼロとカウントしないと決まっている。この条件で規制をクリアすることだけを考えると、欧州のような勢いでBEVが普及することはなさそうだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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