「GoToキャンペーン」で免許合宿が50%オフ! クルマ離れが叫ばれる「若者」が「殺到」した背景とは

申し込みが殺到し、現在新規の申し込みを一時停止

 10月1日からは東京都民や東京発着も対象となった「GoToトラベルキャンペーン」。

 GoToトラベルキャンペーンは、宿泊を伴う、または日帰りの国内旅行の代金総額の1/2相当額を国が支援する事業で、支援額の内、70%は旅行代金の割引に、30%は旅行先で使える地域共通クーポンとして付与される。

 この事業を利用して、実質最大50%offになる合宿免許プランが、インターネットで話題となり、コロナ禍でオンライン授業を強いられている大学生など、若者を中心に申し込みが殺到。募集定員を上まわったために、新規の申し込みを一時停止にしているところがほとんどだ。

 そもそも「Go To Travel キャンペーン」とは、新型コロナウイルス感染症により落ち込んだ旅行需要を喚起するための観光支援策。

 合宿免許プランが観光旅行かどうか、そして観光支援になるのか、という疑問があるが、事業を所管する観光庁がOKを出しているからこそ、GoTo合宿免許プランが成立しているわけだ。

 免許取得にかかる費用は高額で、教習所に通う場合、およそ30万円。合宿免許でも25万円前後が相場だが、GoToトラベルキャンペーンを利用すれば、その25万円のうち、まず35%の8万7500円が割引に。さらに15%分の3万8000円の地域クーポン券が付与される。このお得感を考えれば、GoTo合宿免許プランに申込者が殺到するのは当然だろう。

 現在のところ、GoToトラベルキャンペーンの実施期間は2021年3月15日まで(2021年1月末までの旅行が対象。予算の執行状況を見て、今後変更となる可能性もある)。

 期間限定のため、残席の関係上、今から申し込んでも間に合わないかもしれないが、進路が決まった学生や、就職を控えている人などには、相当魅力的なチャンスとなっている。

 逆に言えば、GoTo合宿免許プランにオーダーストップがかかるほど申込者が集まっているということは、いわゆる「若者のクルマ離れ」の原因は、「お金の若者離れ」にあり、免許の取得費用や若者の自動車保険の保険料などが安くなれば、クルマに乗りたい人、クルマを所有する人はもっと増えるに違いない。

 近年、主要先進国で日本だけが実質賃金がマイナスになり、非正規雇用者が増えているこの現状をなんとかしないと、若者だけでなく、全世代のクルマ離れが進むのでは? そうなると基幹産業である自動車業界がしぼんで、ますます日本経済が低迷する心配があるので、今回のGoTo合宿免許プランをひとつのきっかけに、ドライバー人生の入口を広げることを考える必要があるのではないだろうか。

※2020年10月24日現在、GoToトラベルキャンペーンで割引の対象としていた運転免許の合宿ツアーは2020年11月1日以降の申込み分から対象外となることが決まった。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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