メーカーも想定外! 現行型「クラウン」が「パトカー」に採用できない理由と代替モデルの行方 (2/2ページ)

海外ではSUVがパトカーとして活躍している

 国費調達より自由頻度の高い、地方自治体調達枠でしばらくしのぐというのもありとなるかもしれない(埼玉県警では日産ティアナのパトカーを採用している)。

 レガシィパトカーを導入した時には、運転する警察官のなかには当初「FFかあ」とか「スバル?」という声もあったようだが、実際ステアリングを握ると、「スバルもいいねえ」、「水平対向もなかなかだ」などと評価も変わってきたとのこと。

「何もクラウンにこだわる必要はないじゃないか」という意見もあるようだが、日系ブランドのラインアップをみると、国費調達のパトカーの仕様を満たすか満たさないかを抜きにしても、現実的に選択可能なセダンなどほとんど存在しない。

 すでにアメリカではシボレー・タホやフォード・エクスプローラー、つまりSUVベースのパトカーが、かなり活躍しているが、SUVにするとなると国費調達パトカー仕様の抜本的な変更が必要となるだろう。セダン系にこだわるのならば、メルセデスベンツEクラスやBMW5シリーズ セダンはFRだし、単純に考えればサイズ的にもちょうど良いようにも見える。日本のパトカーが海外ブランドモデルになるかもしれない?

 ただ、菅政権は2030年代前半までに、電動モーターのない純粋なエンジン搭載車の販売中止を進める方向なので、これを機に国費調達パトカー仕様の抜本的改正が行われるかもしれないが、国費パトカーの次世代モデルについてはしばらくバタバタが続きそうである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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