ハイブリッドがあるからいい? 日本メーカーが「EV」に対して「消極的」に見えるワケ (1/2ページ)

電動化が流行なのに日本市場にEVが少ない

 ついに日本でも表面化した、クルマの電動化の義務化。

 一部メディアでは、「電動化=EV(電気自動車)」という解釈をされてもおかしくないような報道があり、自動車業界がざわついた。トヨタの豊田章男社長が日本自動車工業会会長の立場として、電動車にはハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、EV、燃料電池車などさまざまな種類があることを、改めて報道陣向けにアピールし、より正確な報道を要望するといった場面もあった。

 そもそも、クルマの電動化の義務化は、1990年施行の米カリフォルニア州でのZEV(ゼロエミッションヴィークル)規制法に始まり、欧州でのCO2規制強化によって英国などが電動化の早期実現を掲げ、また世界最大市場である中国でNEV(新エネルギー車)政策とCAFE(企業間平均燃費)によるダブルクレジット状態に入るなど、世界各国の状況に応じた「規制ありき」という流れができた。

 そのため、日本の自動車メーカーとしては「国や地域による社会情勢と社会インフラ」を念頭に置いて、地域別での電動化戦略を進めてきた。日本国内では、世界のなかでも群を抜くハイブリッド車普及率の高さがあり、そこからプラグインハイブリッド車、さらにEVや燃料電池車という電動化・拡大路線を描いてきた。

 言い換えると、これはトヨタの戦略だ。日本の登録車市場の約半分を占めるトヨタの動向は、他メーカーの事業戦略に影響を及ぼすのは当然だ。また、電動化製品の研究開発には巨額の投資が必要であり、トヨタの子会社であるダイハツはもとより、マツダ、スバル、スズキは電動化事業でトヨタとの技術提携を結んでおり、トヨタの電動化開発戦略が各社の商品戦略に直接的に影響する。

 トヨタとしては、国内外でハイブリッド車を電動車の基盤とし、ZEV法やNEV法などについてはRAV4 EVやレクサスUX300eなどによるピンポイントでの解決策を講じている。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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