クルマ購入の「文化」がまったく違う! 欧米では当たり前の「オーダーシステム」が日本ではマイナーなワケ (1/2ページ)

「オートクチュール」という考え方をクルマに応用した

 海外では、一部の高級自動車メーカーがディーラーを通じた特注扱いとして、ユーザーひとりひとりに対するカスタマイズに対応するシステムがある。一方で、日本車ではスポーツカーなど、ごく一部でそうした事例は過去にあったものの、現在ではほとんど存在しない。

 その理由について考えられるのは、単にメーカー側の手間やコストがかかるというだけではなく、カスタマイズへの本質的な考え方に、欧州などの高級メーカーと日本メーカーとの間で、違いがあるからではないだろうか。

 そもそも、カスタマイズについて、欧州メーカーが積極的だったワケではない。状況が大きく変わったのは、90年代に市場が拡大した、メルセデス・ベンツのアフター系需要だ。当時は、ブラバス・ロリンザー・カールソンが御三家と呼ばれた。

 そうした風潮を強く意識した形で、AMGがダイムラーに買収され、ブランドとして内製化された。ダイムラーの狙いは動力性能だけではなく、内外装でのカスタマイズがブランド戦略として有効であり、かつ客単価が高いことでの収益性が高い点にある。こうした動きが、BMWやアウディへと広がり、さらにベントレーやロールスロイスなどダイムラーよりひとつ上の超高級ブランドへ伝播した。

 そもそも、欧州の高級ファッションブランドでは、高級既成品「プレタポルテ」に対して、オーダーメイドによる一品モノ「オートクチュール」という概念があり、これをクルマに応用したと言えるだろう。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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