「ナンバーが見えない」「全長のはみ出し」! いま日本で増えつつある「ヒッチメンバー」の抱える問題 (2/2ページ)

便利な反面、車検が鬼門だったりする

 じつは車検問題は意外に複雑だったりする。飛び出ているということは全長が変わるわけで、構造変更が必要になると思いきや、ボルトやナットで取り付けてある固定取り付けやちょうねじなどによる簡易取り付けであれば、指定品目扱いになって「構造装置の軽微な変更時」となるので、構造変更は不要。溶接でガッチリと止める場合は恒久的取り付けとなるので、申請をして全長などを変更しなくてはならない。取り付けてしまえば実質同じように思えるが、けっこうこの違いは大きいのではないだろうか。

 そしてさらに最近気になるのが、ヒッチメンバーを利用したヒッチキャリアだ。要はヒッチメンバーの上に台座を付けて、そこにボックスや自転車を積んでいるのだが、「ルーフに積むより載せたり下ろしたりが楽」とか、「車外の積載量がかなり増えた」という喜びの声が多い。とくに自転車はミニバンであれば車内に積めるものの、汚れを気にすることも多く、ヒッチキャリアなら気にせず積むことができる。

 ただ気になるのは、後部にかなり飛び出しているということと、ナンバーが隠れてしまっているということ。まず飛び出しについては、荷物の場合は全長の10%までという規定があり、ヒッチキャリアも当てはまるのではないかと言われていた。しかし、先にも述べたようにボルト&ナットでの固定であれば指定部品扱いになるため、つまり車体の一部扱いなので、本来の全長の1.1倍以上あっても問題ないことにはなる。それもあってか、自転車を3台ぐらい積んでいるのも見かけたりする。そもそも出回っているキャリアの全長を見ると車体の10%を出るものがほとんどである。ちなみにキャリアに積む荷物は手荷物扱いで、車外の場合は50kgまでとなっている

 もうひとつの懸念であるナンバーが隠れるのは違反となるし、灯火類も同様。つまり自転車のような大きなものを、しかも複数台積むというのはほぼ見えないのでダメ。移設すればいいのだが、なかには紙に手書きをしたナンバーを見えるところに貼ってよしとしているクルマもあるが、これももちろん違反となる。実際はこの点を守っていないクルマをけっこう見かけるので、今後は正しい積み方が浸透することを願うばかり。正しく使えば便利なアイテムだけになおさらだ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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