産油国に頼りっきり? 日本産の「ガソリン」はあり得ないのか

本当にわずかながら原油を産出している

 よく言われるように、日本は石油を輸入に頼っている国だ。そのため、ライフラインとしてのタンカーの運行は非常に重要とされている。つまり輸入がなくなれば大問題で、備蓄すらも枯渇した戦争中のことを考えればイメージしやすいだろう。さらに最近では急速に電気自動車に舵を切っていて、石油に頼らない社会の実現ということが現実的になってきている。

 肩身の狭い思いをする石油の消費だが、そもそも、日本ではまったく採れないのかというとそんなことはなく、ご存じの方もいると思うが、国内でも原油は産出されていて、今現在も生産が行なわれている。もともとまったくないとされていたわけではなく、日本書紀には燃ゆる土や水の記述があるし、縄文時代には矢じりと軸をくっつけるために、石油から採れるアスファルトが使用されていた。

 ただし、消費量に対する国内の産出量はたったの0.1%ほど。同じ化石燃料である天然ガスも3%ほどだ。ちなみに石油、天然ガスともに化石燃料と呼ばれるのは、太古に湖底などに積もった生物の死骸が長年にわたって、地層の圧力にさらされてできるからというのが有力な説とされている。なので、日本でももっと産出されてもおかしくはないはずだ。

 なぜ中東であれだけたくさん採れるのかというと、採掘しやすいところにたくさんあるから。最近のニュースで、日本近海にも天然ガスがたくさん眠っていて、日本での消費量の100年分はあるのではないかとさえ言われているが、問題はどうやって取り出すかで、技術とコストを考えると現状では無理だったりすることも多い。石油についても新たな調査技術ができれば、発見されるかもしれないが、こちらもそんなレベルで発見ができても、コスト的に合わないということになりかねない。また、天然ガスの場合、噴出による環境問題も関係してくるからなおさらだ。

 天然ガスが身近に出れば、ディーゼルエンジンなどに簡単に使用できて、環境負荷もガソリンに比べて小さいので、日本での動力革命が起こせる可能性もあるかもしれない。現状では船で遠方から運んでこないダメなので、直接的にはエコでも間接的にはそうでないのが問題となっている。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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