クルマのバンパー! 標識! 反射板はなぜ「キラキラ」光るのか?

複雑な構造にすることでどこから光が入力しても反射できる

 クルマのリヤバンパーやテールランプ内。さらには路肩に設置されているガードレールなどに付いているのが反射板だ。クルマ以外でも、自転車などにも付いていて、夜間の視認性をアップできるので交通安全グッズとしても活躍している。

 知らないとか見たことがない方はいないと思うが、効果としてはライトなどの光に対して、キラキラと反射する。凄く眩しくはないけど、どこからでもキラキラと光ってアピール度は高い。

 当たり前の存在だけに、なぜキラキラするのか考えたこともないが、よく考えると不思議だし、現物をよく見ても表面はツルツルしていても、透けて見える内側はけっこう複雑だ。そもそも反射するだけなら鏡でいいと思うのだが、それではダメなのだろうか。

 まずは鏡ではダメな理由からだが、強烈な光は色を塗るなりして抑えられるが、一番の問題は反射が単純だから。真っ直ぐ当たった光はそのまま真っ直ぐ戻るので、その場合は光りを感じられる。ただし、斜めからだと同じ角度で向こう側に抜けていってしまうので光らない。

 反射板はどの角度から光を当ててもこちらに戻ってくるのが特徴で、その秘密は透けて見えるブツブツした凸凹にある。ひとつ単位で見ると、コーナーキューブミラーと呼ばれる、3枚の鏡を組み合わせたような形をしていて、3回反射させることでどんな上下左右どこから光が入力しても、来た方向に光は帰っていく。ちなみに2枚だとそのときどきで安定しないのでダメ。細かい理屈は言葉ではわかりづらいので、そういうものだと覚えておけばいいだろう。

 反射板には、作業用ベストなどに使われるシート状のザラザラした反射板もあるが、これも使用している理屈は同じで、3枚の鏡に代わって、アルミシートの上に細かいガラスビーズを敷き詰めてある。こうするとガラスビーズに入った光はアルミシートに反射して同じ方向に戻っていく特性があるので、キラキラと光って見えるのだ。

 いつも何気なく見ている反射板や反射テープは、光学に基づく理屈によって光るものだけに、今一度よく見てみてほしい。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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