ルーフの脱着も大変だし収納場所も面倒じゃない? それでもポルシェの「タルガトップ」が存在するワケ (2/2ページ)

手軽にオープンエアモータリングを楽しめるのが魅力!

 初採用となったモデルは1966年製の初代ポルシェ911(901型)。以後、2代目930型、3代目964型、4代目993型、5代目996型、6代目997型、7代目991型と歴代911で採用され続けたボディ形状で、クーペボディ並の高いボディ剛性を持つこと、手軽にオープンエアモータリングを楽しめることから、根強くファンに支えられてきた実績を持つ。

  

 なお、初代採用時には手動脱着式だったルーフ構造も、時代の進化に合わせ、現在の991型では電動格納方式が採用され、ワンタッチ操作でクローズド/オープントップの状態が作り出せるようになっている。

 タルガトップの名称は、ポルシェの商標登録のため同社以外に使うことはできないが、同様の構造は古くからあり、日本ではトヨタスポーツ800(1965年)が手動脱着式の樹脂トップを採用。取り外したトップ部はトランクルーム内に収納可能だった。

 また、電動格納式はホンダが「トランストップ」の名称でCR-Xデルソル(1992年)に採用。スチールトップ/電動格納式の組み合わせを基本としたが、アルミトップ/手動脱着式の方式も併売され、こちらは重量が50〜60kg程度軽量に仕上がっていた。

 いわゆるタルガトップの形式は、フルオープン方式と比べて開放感は少ないが、走行性能に影響するボディ剛性の面で、クローズドボディ車並みの性能を持つ点が大きな特徴で、同じクローズドボディをベースとするサンルーフ方式とは、オープンエアの感覚が段違いで優れている。そしてなにより、安全性が確保されている点が大きい。

 なお、この方式に問題があるとすれば、外したルーフの収納場所だが、現在は電動格納式が圧倒的に多く、トランク機能を確保しながら実用化しているので、使い勝手の点でもそれほど不自由さはないはずだ。車体剛性、車体強度、安全性とオープンエアモータリングの爽快さを、高次元でバランスさせた方式がタルガトップと言えるだろう。


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