500馬力のミラージュ! 2.5リッターターボのBRZ! 「なんでもアリ」の魔改造マシンが爆走する「ダートトライアル」が圧巻だった (1/2ページ)

JDCのなかでもっとも注目を集めているのが「JD1クラス」

 未舗装のコースで1台ずつタイムアタックを行い、そのタイムで順位を決める「ダートトライアル」では、各ドライバーが豪快なコーナリングを披露。なかでも、日本屈指のスペシャリストが集う国内最高峰シリーズの全日本ダートトライアル選手権、通称“JDC”は迫力満点で、各マシンともに土煙をあげながら、豪快なサイドウェイを披露しているが、そのなかでもっとも注目を集めているクラスが、最高峰のJD1クラスだと言えるだろう。

 JDCでは排気量や駆動方式、改造範囲に応じてさまざまなクラスが設定されており、JD1クラスは競技専用に開発されたD車両が採用されている。このD車両は安全装備と最低重量をクリアさえすれば改造範囲は“無制限”で、大胆なエアロパーツはもちろんのこと、ボディパネルの材質置換による軽量化もOK。ほかのモデルからのエンジン載せ替えや排気量の拡大、2WDモデルの4WD化、足まわりの構造変更など、まさに“なんでもアリ”の状態となっている。

 そのため、言わばベース車両はなんでもOKで、それゆえにJD1クラスは多彩な車種バリエーションを誇る。しかも、すべてのD車両が徹底的にモディファイされたレーシングカーで、かつてWRCで活躍したグループBモデルを彷彿とさせるようなモンスターマシンに仕上がっているのである。

 たとえば2020年のDクラスを制した炭山裕矢選手のチャンピオンモデル、三菱ミラージュも大胆なモディファイが加えられた一台だ。ボディこそミラージュを使用しているものの、エンジンおよびミッション、トランスファーはランエボ10のユニットで、DCGのタービン、モーテックのECUを採用することにより、じつに500馬力を発揮する。

 しかも、車両重量は1130kg前後と軽く、サスペンションのジオメトリーも変更。LSDもGRスープラで採用されている大径サイズで、空力パーツもスチールや合板で整形したオリジナルパーツだ。そのほか、ラジエータをリヤに搭載するなど重量配分の最適化にも余念がない。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

愛車
スバル・フォレスター
趣味
登山
好きな有名人
石田ゆり子

新着情報