マイナー競技がモンスターの「棲家」だった! 全日本ジムカーナ選手権「SC車両」の「魔改造っぷり」が強烈すぎる (2/2ページ)

GJ3型インプレッサにVAB型WRXのリヤフェンダーを装着

 まず、VAB型のリヤフェンダーや乱人のリヤウイングを装着することで空力性能の向上を図るほか、エンジンもHKSのタービンおよびモーテックのECUを採用することで出力向上を実施している。それに合わせてオリジナルの大型ラジエータで冷却性能の向上を図るか、クスコのダンパーおよびLSD、ウインマックスのキャリパーを採用することで足まわりや駆動系、ブレーキが強化されていることもポイントといえるだろう。

 ちなみに西原のインプレッサでは操作性を高めるために、クスコのドグミッションを採用。そのフィーリングについて、西原は「GJ3も歴代インプレッサと同様にFRのようなバランスになっている。ストップ&ゴーの多いパイロンコースではエンジンのトルク性能が高いランサーのほうが有利な部分があるけれど、中高速コーナーの多いサーキットコースではインプレッサが速いと思う」とのことだ。

 事実、2021年の開幕戦のもてぎ大会で西原はスラロームおよびターンの中低速セクションで苦戦を強いられ、3位に甘んじることとなったが、そのパフォーマンスは高く、まさに究極のマシンに仕上がっている。

 ちなみに2021年のJG1クラスには牧野タイソン、高橋和浩らがSC仕様の三菱ランサーを投入。さらに前述のとおり、ナンバー付きのSA車両も参戦しており、2020年のSA・SAX4クラス王者の津川信次が三菱ランサーを投入するほか、これまでSCクラスで活躍してきた大橋渡がトヨタのニューモデル、GRヤリスを投入するなど、経験豊富なスペシャリストがSA車両で参戦している。

 SA車両もナンバー付きゆえに、SC車両よりも改造範囲が狭く、車両重量とエンジンパワーの面で劣勢な状況にはあるが、津川が開幕戦を制するなどドライバーおよびコースレイアウトによってはSC車両を凌ぐ走りを披露。まさにJGCのJG1は集うマシン&ドライバーともに国内最高峰で、芸術的な神業を堪能できるようになっているだけに、興味のある人はチェックしてみてはいかがだろうか?


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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スバル・フォレスター
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登山
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